ノート7使用中止勧告はサムスンに大打撃だ 米国政府によるiPhone保護策との見方も
一方、サムスン電子の最大のライバルであるアップルがiPhone7シリーズを発表した直後にこのような勧告を行ったことから、「米国の産業保護政策の一環ではないか」との見方が出ている。
実際、今回のサムスン電子の失敗のため、アップルが相当な販社利益を受けることもありうるとの観測があるのも事実だ。とはいえ、言い訳はできない。サムスン電子としては米国政府の決定が、強制力はないとしても、同社にとっては無視できないものであり、結果として「使用中止勧告」という厳しい措置を執らざるを得なかったのは事実だろう。
中国のギャラクシーノート7は問題なし
サムスン電子は、使用中止勧告を米国市場に対してのみ出せば消費者にとって差別的な措置になると判断、韓国などすでに販売中の10カ国全体に中止を呼び掛けた。ただ、中国だけはこの勧告を出さなかった。というのも、ギャラクシーノート7のバッテリーに問題があるのはサムスンSDIの製品。中国で販売されている同製品のバッテリーは中国ATLの製品である。そのため、サムスン電子は当分の間、バッテリーの供給をATL社から受けることにしている。
ATLのバッテリーを内蔵したギャラクシーノート7は、9月19日から韓国でも供給される。これまでも韓国のサムスン電子サービスセンターで代替機種を支給していた。だが今回は、旧盆の長期連休を前にしてユーザーが海外旅行などで出国、機内で使用した場合に問題が発生することを考慮して、サムスン電子は使用中止勧告という強い措置を執ったものと思われる。
韓国・国土交通省関係者は、「勧告にもかかわらず、機内の乗客がギャラクシーノート7の使用を止めなければ、航空法に基づいて搭乗拒否や強制的な使用制限を行える」と警告している。
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