トランプ就任演説の注目ポイントはここだ!

政治マーケティングの観点から内容を予想

トランプは就任演説で何を語るのか (写真:Lucas Jackson/ロイター)

いよいよ1月20日にドナルド・トランプが米国大統領に就任する。就任演説でエキセントリックな大統領として、大統領選中に繰り返し述べてきた米国第一主義や分断の主張を繰り返すのか。それとも選挙直後の勝利演説の際に、敗北したヒラリー・クリントンに対して労をねぎらう配慮を見せたように、正統派の大統領として歴史に残るような「名演説」を行うのか。今年のみならず、今後のトランプ政権の4年間を占ううえで、大いに注目されるイベントとなる。

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トランプの就任演説については、米国で最も代表的な議会誌である『ザ・ヒル』誌が昨年12月27日、「大きな夢をもつことがメインテーマになる」と、トランプ大統領就任式委員会メンバーからのコメントとして伝えている。選挙期間中スピーチライターを務め、政策担当の大統領補佐官としてトランプ政権にも参画することが決まっているスティーブン・ミラーが、今回の草稿も担当するとも報じられている。

さらには、トランプ本人が、今でも世界的にその就任演説が語り継がれているジョン・F・ケネディや、偉大なコミュニケーターとして知られるロナルド・レーガンの就任演説からインスピレーションを得て下書きするとの報道もある。

就任演説は、トランプにとっても極めて重要なものである。「競争性×最上志向×自我」の資質で形成されていると分析されるトランプは、歴史に残るだけではなく、歴代大統領の中でも最高だったと語り継がれるような演説を目指しているのではないか。そこで今回は、トランプ陣営も選挙戦中から活用してきた米国のマーケティング専門領域である、「政治マーケティング」の視点から、就任演説の内容を予想してみたい。

就任演説はなぜ大切なのか

米大統領選における政治マーケティングは、自党候補者と戦う予備選、他党候補者と戦う一般選挙、そして大統領就任後の政権運営期間、の3つに大別される。

1つ目の予備選の最大の目的は、自党の候補としての指名を獲得することだ。この期間においては、1対多数の戦いになるのと同時に、現職大統領との比較が重要となる。実際に共和党候補者のほとんどが、オバマ大統領を厳しく批判したが、これは政治マーケティングにおいては定石的な戦略だったのである。特にトランプはオバマとの間で「強いvs.弱い」という明確な対立軸を有権者に浸透させるのに成功し、この段階から無党派層の注目も集めていた。

また、このタイミングで最も重要なのは、一般選挙でもコア支持層となるような熱烈な支持者層を獲得することだ。トランプの場合、あえて戦略的に「メキシコとの壁」などの過激な「政策」を打ち出すことで支持者開拓を狙ったと、当時の選挙アドバイザーが発言している。正式に出馬表明する前の段階でトランプ陣営は、コア支持層設定や、より効果的な自らのポジショニング設定のための試行錯誤も兼ねて、あえていろいろと過激な発言を繰り返した。それを集会やツイッターなどの反応から分析し、企図して過激発言を行ったとされている。

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