オーストリア「新生夜行列車」の意外な実力

噂のナイトジェットに乗ってみた

リンツ中央駅で発車を待つナイトジェット。ダイヤ改正直後は、数日前までシティナイトラインとして使っていた客車をそのまま使用している列車も多かった(写真:筆者撮影)

2016年2月3日付の記事「『夜行列車衰退』は欧州でも起こっている」の中において、筆者はドイツ鉄道が夜行列車事業であるシティナイトラインからの撤退を発表したこと、さらにオーストリア連邦鉄道による同事業の救済の可能性について述べた。

果たして、その予想は的中した。2016年12月の冬ダイヤ改正から、オーストリア連邦鉄道はシティナイトラインの一部路線を引き継ぎ、あわせて同社の夜行列車ブランドを「ナイトジェット」という名称に刷新して運行を始めた。

もともとサービスの良さでは定評のあったオーストリア連邦鉄道の夜行列車。そのオーストリアが満を持して投入した新しい列車ナイトジェットは、いったいどのようなサービスなのか、そして競合する他の交通機関に対抗することができるのか。今回はダイヤ改正と同時にこのナイトジェットへ実際に乗車し、検証してみた。

快適だったドイツの夜行列車だが…

その前に、この冬のダイヤ改正で営業終了となったドイツ鉄道のシティナイトラインは、どのような列車だったのか、簡単に説明しよう。

シティナイトラインは1995年、すでに衰退が始まっていた夜行列車事業へのテコ入れとして、ドイツ・スイス・オーストリアの各国鉄が出資する新しい夜行列車サービスとして運行を開始した。自室にシャワー、トイレが付いたデラックス個室寝台から、日本の夜間高速バスのような、深く倒れるリクライニングシートを装備した座席車まで、利用者のニーズに合わせカテゴリーを選べるほか、車内で食事ができるよう、食堂車や売店も連結した。

食堂車はコストを抑えるために旧型の客車を改造したものの、内装は星空を模したような照明を配置するなど、非常に凝ったデザインだった。普通寝台車の料金には朝食も含まれており、プレートにチーズやハム、パンを載せた朝食と温かい飲み物が提供された。座席車利用客にも、コーヒーもしくは紅茶など飲み物が配られた。

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