”夏休み決戦”を制する者がお受験を制する 学校を見て、開成の合格発表が盛り上がらないワケを知る

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開成の合格発表を見に行くということ

また、短期的な「夏休みの計画」にとどまらず、長期的な「お受験の計画」を立てるときにも、その最終ゴールを具体的にリアルにイメージさせるとよい。そこで、夏休みの時間があるときに、お子さんと一緒に志望校のキャンパスへ出かけることをおススメする。

キャンパスに足を踏み入れることで、その空気を感じることで、校舎を目の当たりにすることで、将来、そこで過ごす自分をリアルにイメージできるようになる。志望校が雲の上の存在ではなく、自分も触れることができるリアルな身近な存在としてゴールをグッと具体的にイメージできるようになる。

大学でも中学でも、夏休みは学生の数も少なく落ち着いた雰囲気で、見学にはもってこいである。夏休みの旅行計画のひとつに、ぜひご提案したい。もっとリアルにゴールをイメージしたいのであれば、季節は夏ではないのだが、志望校の合格発表を見に行くことをおススメしたい。

東京大学が志望校なのであれば3月10日に本郷へ、開成中学に合格したいのであれば2月3日に西日暮里に足を運ぶ。そして、合格発表の最中に身を置き、全身でその雰囲気を感じ取る。テレビで見る合格発表と違い、現実の合格発表の瞬間は残酷だ。テレビで見る合格発表は合格者ばかりをフィーチャーするが、現実の合格発表はそうではない。3倍前後の試験であれば、合格者の2倍が不合格者である。だから、冷静に周りを眺めると、喜んでいる人よりも悲しんでいる人の方が圧倒的に多い。

それに、意外に子どもの数が少ないことにも気がつく。それもそのはず、2月3日の合格発表のその瞬間、開成中学受験生の多くは筑波大学附属駒場中学で、最後の力を振り絞っているからだ。だから、開成中学の合格発表の瞬間は子どもが喜ぶものではなく、親が喜ぶものなのである。

開成中学の合格発表がいちばん盛り上がるのは夕方だ。子どもたちが筑波大学附属駒場中学の試験を終え、西日暮里へ大挙して向かってくる。そして、開成中学の合格を知り安堵する。合格発表後のピリピリした空気ではなく、穏やかな空気が流れている。

このようなリアリティを肌で感じ取る。そして、自分が受験する年度の合格発表では、自分が喜んでいるイメージを強く持つ。これが、「お受験勉強」のゴールであり、「お受験計画」を立てる際に非常に役に立つ。

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