”夏休み決戦”を制する者がお受験を制する 学校を見て、開成の合格発表が盛り上がらないワケを知る

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「夏休み」とは約40日間のプロジェクトである。限られた時間の中で、いろいろやりたいことがあるが、投下できるコストは限られている。そして、人的資源もまた限られている。その中で、ROIを最大化する意思決定をしなければならない。

だから、「夏休みの計画」を立てる人は、「夏休み」というプロジェクトを管理するプロジェクトマネジャーだ。子どもがまだ小さくパパやママが計画を立てる場合、パパやママがプロジェクトマネジャー。子どもが自分で夏休みの計画を立てる場合は、子どもがプロジェクトマネジャー。

ビジネスの最前線で活躍するパパやママはすでにご存じだと思うが、若手のプロジェクトメンバーを成長させるのにいちばんよい方法は、彼らにプロジェクトマネジャーの役割を担わせることである。それにより、自分の担当以外のタスクがリアルに認識できるし、自分のやりたいことばかり行うと、ほかのタスクが回らない、ほかのタスクに迷惑をかけるということも理解できるようになる。

子どもをプロジェクトマネジャーにする

「夏休み」のプロジェクトマネジャーも同様で、私のおススメは小さいうちからプロジェクトマネジャーを任せてみることだ。具体的には「夏休みの計画」を自分で立てさせることである。最初に彼らが立てる「計画」は、十中八九、実現不可能なものばかりである。「やりたいこと」を優先させるので、「やらなければならないこと」の時間を十分に取れない。「やらなければならないこと」に対する時間の見積もりが甘いなど、ビジネスの現場で散見するプロジェクト計画の甘さと同じ状況を見ることができる。たとえば、毎日、遊びの時間をたくさん取り、勉強の時間が1日10分しかないだとか、「問題集30ページをやる!」と決めておきながら、それを30分でこなすといった計画である。

そんなときは、ゴールを見せてあげるとよい。子どもの目の前に、夏休みの宿題(学校・塾含め)を持ってきて積み上げ、「1日10分で、これをどこまで進められるかな? それを40回すると、どこまで終わって、どれだけ残る?」と聞けば、ゴールに対し自分の見積もりの甘さを認識することができる。

また、「問題集を30ページ、30分でやるということは、1ページ何分でやるっていうこと?1分だよね。じゃあ、今から1分でどこまでできるかやってみよう!」と言うと、これまた自分の見積もりの甘さを認識することができる。

なぜこのように見積もりが甘くなるのか。それは、ゴールの具体的イメージができないからである。夏休みの宿題であれば、何をどこまでやることがゴールなのか、それをどのくらい習熟すればゴールなのかイメージが持てないからだ。

だから、最初は子どもに好きなように「計画」を立てさせ、次にパパやママが「計画」に対する「ゴール」の実現可能性を見せてあげる。そうすることで彼らは自分の「計画」の甘さを認識し、この試行錯誤を繰り返すことで、しだいに彼らが立てる「計画」は現実味を帯びてくる。

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