”夏休み決戦”を制する者がお受験を制する 学校を見て、開成の合格発表が盛り上がらないワケを知る

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外資系のトップコンサルタントがそのノウハウのすべてを子どもの「お受験」につぎ込んだらどうなるのか――。そんな壮大な“挑戦”をしたのが牧田幸裕氏だ。
現在は信州大学准教授の牧田氏、その経歴はド派手だ。京都大学大学院に1位で合格、その後は、外資系コンサルティング会社にトップで内定し、IBMでも4期連続最優秀インストラクターを獲得。だが、牧田氏自身は「決して自分は天才タイプではない」と語る。
ではどうやって「知のトップ」を走り続けることができたのか。その答えがビジネス、勉強の 両方に通じる「得点力」と呼ばれるスキルにあると言う。「得点力を鍛える」を記した牧田氏は、「親として得点力は子供の受験に活かすことができる」。そう豪語する彼の“挑戦”は長男の最難関国立小学校合格という結果で幕を下ろした。
父として、子どものお受験にどのように携わったのか。また、ビジネススキルはお受験にどう活きるのか。「お受験パパ」が受験戦争でのサバイバル術のすべてを伝える。

もうすぐ夏休みがやって来る。6年生のお子さんをお持ちのご家庭では、まさに天王山だろう。一方、5年生以下のお子さんをお持ちのご家庭でも、学力をグッと伸ばすチャンスの時期である。では、この夏休みをどのように活用すれば、そのROI(投下資本利益率)を最大化できるのだろうか?

夏休み、遊びと勉強をいかに両立するか

私は「夏休みのROI」をこのように定義している。「そもそも小学生の夏休みとは、一生懸命遊ぶためにある。友達と虫取りに出かけ、森を探検し、海で真っ黒に日焼けし、スイカにかぶりつくためにある。そのためには、勉強の時間を極力減らしつつ、それでも成果を出すことが求められる。そこで、勉強を最短時間に減らし成績を向上させ、遊びと勉強を両立させること」これが夏休みのROIの定義である。

長時間勉強して成績を上げること。これは長時間労働で残業をしまくって、なんとか生産性を上げるふりをしている日本企業と同じである。生産性は決して高くない。そうではなく、やり方にこだわりぬいて、極力労働時間を減らす。でも結果は出す。そして、労働時間以外の自分の時間も大切にする。これがROI最大化であり生産性の向上だ。

ビジネスの最前線で活躍するパパやママが心掛けていることも同じはずだ。ビジネスの最前線で活躍し結果を出す。でも、家庭も大切にし、子どもとの時間を極力とれるように工夫をする。

ここでも、パパやママのビジネススキルは、子どもの生産性向上に役に立つ。そこで、連載最終回の今回と次回は、「夏休みのROI」を最大化するプロジェクトマネジメントについて考えていきたい。

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