「告白は男からすべし」は女の願望に過ぎない 自分からアタックできる男は3割に満たない

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ただ、絶対値で考えれば、自分から積極的に声をかけられる日本男性は3割以下、4人に1人しかいないということに変わりはありません。関連性はわかりませんが、これは以前「『草食系男子の増加』という大いなる勘違い」で紹介した、彼女がいる男性の割合とちょうど符合します。

日本女性の突出する「受け身」の姿勢

しかも、逆に「相手からアプローチがあれば考える」割合を見ると、スウェーデン男性を別にすれば(スウェーデンは男女ともに積極的にアプローチする国民性のようです)、日本男性は29.6%とむしろ自分からアブローチする割合よりも大きいのです。

対する日本女性はどうかと言うと、自分から積極的にアプローチするより、相手のアプローチを待つ割合の方が圧倒的に高い(45%)。つまり、女性の側には「男性が積極的にアプローチすべし」という意識が強くあるということです。しかし、男女ともに受け身の姿勢なら未来永劫マッチングされないというものです。

この調査の経年推移はないので、どのような流れを示す結果なのかはわかりませんが、これだけを見ると、そもそも「男性の約半数が付き合う前に告白している」という冒頭で紹介したデータもにわかに信じられなくなってきます。

推測するに、「付き合う前に男から告白する」というルールは、女性側が自分をリードしてくれる男性像を期待することで存在し続けているものなのだと思います。男性側も、そうした期待を受けて「男とはこうあるべき」という男性像を内在化します。ただし、その望みをすべての男が叶えられるわけではない、というのが実情なのでしょう。

考えてみれば、明治・大正期の「恋文」も平安時代の「和歌」もそんなもののひとつだったのかもしれません。そして驚くべきことに、「男から告白すべき」という考え方のルーツは8世紀初頭に記されたとされる『古事記』にもあるのです。

人が住める国を生めという指令をうけたイザナギノミコト(男神)とイザナミノミコト(女神)でしたが、どうしていいかわかりませんでした。ある日、イザナミが自分の身体について話し出しました。

吾が身は成り成りて、成り合わぬところ一処あり(私の身体は出来上がってきましたが、一か所だけできあがっていないところがあります)」

それを受けて、イザナギも答えます。

吾が身は成り成りて、成り余れるところ一処あり(僕の身体もできあがっているが、一か所だけできすぎたところがあるんだ)」

要するに、イザナミは身体の一部が凹んでいて、逆にイザナギは身体の一部が出っ張っている。これは、男女の身体の違いを表しています。そして、この互いの足りないところと余った部分を合体(セックスのこと)させれば国を生めるんじゃないか、という話になったわけです。本能的な行為の話を非常にロジカルに説明しているところが面白いと思います。

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