LINE「無料出張授業」に依頼が殺到する理由 超リアルな情報教育は、ここまでこだわる

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LINEの授業は従来の情報モラル教育と何が違うのか。塩田准教授は、生徒に「自分が当事者である」と気づかせる仕組みだと力説する。

「ビデオでトラブル事例を見せられて『気をつけよう』『自分がされて嫌なことは友達にしてはダメ』と言われても、子どもは『またその話か、わかってるよ!』と思うだけ。実際は、自分と相手の“嫌”という感覚にズレがあり、誰でもトラブルに巻き込まれる可能性がある。カードを並べ替え、周りと比較することで、自分も無意識に他人を攻撃しているかもしれないと、身をもって自覚させることができる」(塩田准教授)。

12月に新たにリリースした「リスクの見積もり編」は、中学・高校生に対象年齢を上げ、さらに実践的要素を盛り込んだ。自らリスクを予想し、それらを回避する力を育てることがテーマだ。

東京都内の中学校で行われた授業を見学してみた

教室で生徒一人ひとりに配られるのは、LINEのトーク画面を模した5枚のカード。仲良し6人のグループで遊びに行く約束を交わすもの、クラス全員(30人以上)が加入しているグループでその日のテストについて振り返るものなど、シチュエーションはさまざまだ。

ここで講師の指示が飛ぶ。「それぞれのトークについて、この後の展開を予想して、『楽しい、うれしい、ほっとする』『このまま変わらない』『イラっとする、気まずくなる』『ケンカする、炎上する』の4つに分類してみましょう」。制限時間は1枚当たり15秒だ。

トークの内容を見て、今後どのような展開になるか予想する。なかなか難しい内容だ

大人でもかなり苦戦するが、「LINEのコミュニケーションはスピードが速いのが特徴」(塩田准教授)であるため、瞬時に判断する要素を入れているという。

次ページえ、これくらいの発言は普通でしょ?
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