爆発的に増える「空き家」対策、4つのパターン 「対策法」で税金が6倍増も!油断は禁物だ

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実家を相続した後、いざ処分しようと思ってもできないといった事態は避けたい。自治体に寄付するという方法もあるが、自治体に寄付受け入れ義務はないうえ、さまざまな要件があり実現は容易ではない。隣家や企業などに寄付するといった手段も、寄付先にとって利用価値がある、換金できるなどのメリットがないと成立しないだろう。

空き家を引き取らない「相続放棄」という方法は、空き家を含むすべての財産を同時に放棄する必要がある。相続放棄申請は、被相続人の死亡を知ってから3カ月以内に行わなければならない。期間内に決められない場合は、期間延長の申し立てが必要になる。

ベストの選択肢は、相続が始まったら具体的にどうするか、事前に親と子で話し合っておくことだろう。こうした話を子供側から持ち掛けるのは難しいところだが、「最近は空き家が問題になっているようだ」といった一般論から入りつつ、実家の将来について話し合っておきたい。

「家族の思い出がある」から空き家放置?

空き家が放置される原因の中には「実家や親の思い出が残っており、処分するのは気が引ける」といったケースも多いが、そうやって躊躇していると前述のとおり建物はドンドン傷んで市場性を失ってしまう。親が介護施設に入り、実家が事実上空き家になっているケースは判断が難しいだろう。あくまで親自身の決断が必要だが、筆者の経験では、この段階で実家を処分するのは30%程度。市場性があるうちに処分・換金するのは、今後の介護費用のことなども考えれば賢明だ。

「相続財産の棚卸し」も重要になる。遺言を残すなど事前の取り決めがなかった場合、相続人同士の話し合いで何をどう相続するかが決まるが、その際基準となるのが「法定相続分」だ。相続人が複数いて不動産持ち分が共有になると、後の処分に支障が出る可能性もある。まずは資産・財産の棚卸しをして、専門家に相談しつつ、必要があれば遺言を残すなど、後の相続や財産の処分がスムーズに進むようにしておくことが求められる。

さて、このような対策を経て、空き家を相続したら、どうすればいいか。空き家の扱いは大きく以下に分類できる。

【選択肢1】売却する

いちばんお勧めなのが売却だ。都心や都市部の一等立地以外、大半の地域は住宅価格の下落が予想される。特に高度成長期に分譲されたベッドタウンは、年3%以上下落し続ける予測もある。特段利用する予定がなければ、できるだけ早期に売却することがよいだろう。ほとんどのケースで売値は「今」がいちばん高いはずだ。

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