爆発的に増える「空き家」対策、4つのパターン 「対策法」で税金が6倍増も!油断は禁物だ

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【選択肢2】賃貸に回す

賃貸は駅近マンションや、戸建てで需給が逼迫している地域などで検討できる選択肢だ。ただし、貸すとなると多くのケースで一定の修繕・リフォームが必要になる。必要なリフォーム費用の見積もりを取り、コストの投資回収期間を計算しよう。たとえば150万円のリフォーム投資をした場合、家賃8万円なら年間家賃収入96万円と、1年半程度で投資額を回収できる計算(賃貸管理料〈家賃の5%程度〉、マンションなら管理費や修繕積立金、固定資産税の支払いなどは含まず)になる。そのうえで、賃貸に回すことがはたして割に合うか。冷静に見極めたい。将来的には、空室率や経年による家賃の下落、修繕費用の負担も織り込む必要がある。

自分たちにとって最適な選択を

【選択肢3】空き家のまま管理する

現在予定はないが、将来は自分や親族が住むかもしれない、といった場合の選択肢。空き家の適切な管理には 建物や敷地内の見回り、ポスト周りの清掃、室内空気の入れ替えなどが定期的に必要だが、自身でできない場合は「空き家管理サービス」を利用する方法もある。月に1回の頻度で5000円から1万円程度が相場だ。該当地域でこうしたサービスの提供事業者がいるか調べよう。

【選択肢4】そこに住む

自身や親族がそこに住むパターン。耐震診断や耐震改修、バリアフリーや省エネリフォームについて、多くの自治体が補助金や助成金を用意しているので確認するとよいだろう。こうした助成金制度や減税制度などに詳しいリフォーム会社を選ぶと、なお安心だ。複数社から見積もりを取り、その中身をよく見比べてみたい。

いずれにしても大事なのは、空き家をどうするか、早めに意思決定することだ。時間が経過するほど周囲にライバルの空き家は増える一方。なんとなく意思決定を先延ばしにしたまま放置する、あるいは相続でもめて動けないというのが悪いパターンとなる。自身や家族・親族にとっての最適解を見つけよう。

長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

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ながしま おさむ / Osamu Nagashima

1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任している。主な著書に、『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)、『「マイホームの常識」にだまされるな!知らないと損する新常識80』(朝日新聞出版)、『これから3年不動産とどう付き合うか』(日本経済新聞出版社)、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)など。さくら事務所公式HPはこちら
 

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