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松下幸之助が「人間中心の政治」を説いたワケ 経営の神様が政治に対して考えていたこと

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  • 江口 克彦 一般財団法人東アジア情勢研究会理事長、台北駐日経済文化代表処顧問
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それで足らんと。国民に借金しようということで、国債を発行するようになったんやけど、それがもう累計で百兆円を超えておるがな。さらにこのままずっといったら、じきに国債残高が百五十兆円、二百兆円、いや一千兆円を超えるかもしれん。だいたい、借金と言うものは、そういう性格を持っておるものや、わしの経験から。それでなくともこれから予算が膨らむ要因はいくらでもあるんやから、それでもとどまらんということになる。

そこで国家予算の単年制度をやめて、企業がやっておるような会計に変える。そうすれば、年度末に予算を使い切らんでええということになるわね。

むしろ、政治とか行政の効率をあげて、やるべきことはやりながら、予算を残したほうがいいということにする。

それだけではない。1%残すと。それぞれ1%残せば、全体でも1%残るわな。全体の予算が60兆円として、その1%と言えば、6千億円か。そして毎年その6千億円を残し生み出し、積み立てていってやね、それを年利6%の複利で運用していくんや。

そうすると100年後には3212兆円となり、金利だけで、193兆円にもなる。これからは多少は貨幣価値も下がるやろうし、国家予算も膨らむやろうけど、それからは金利だけでも十分に国の予算が組めるようになるがな。

やろうと思えば、できる国だと思うけど

税金はもういりません、払っていただかなくても結構ですということになるな。それだけではなく、場合によっては、金利がよけい入りましたら、国民のみなさんに差し上げましょうと、国が国民にその収益を分配する。税金を払わんでええどころか、国がおカネをくれる。きみ、おカネを払うより貰うほうが気分ええやろ。

もっとも、きみが受け取るわけにはいかんわね、今からはじめても百年先のことやからな。けど、われわれの子供たち、そしてそのまた子供たちのころにはそうなる。そうなると、汗を流して稼いだおカネは、みんな自分のものになる。そういうことになれば、みんな喜んで働き、また人生を充実させる工夫をするよ。もちろん、完全福祉や。教育も病院もただやね。それでも残るから、国民に分配する。まあ、日本は、そういうことをやろうと思えば、できる国だと思うけどね。

いま生きてるわれわれは、その恩恵には浴さんけど、子供たちの子どもたちが喜んでくれることを、われわれが始めると。そう考えれば愉快なことやないか。どうにもならなくなって考えるより、子孫(こまご)のために、いまわれわれがこういうことを考えたらいいと、わしは思うけどね。
いわば日本は無税ですと、無税国家ですということになるわね。そしてそれを目指して努力するということになれば、将来に光明を見出すことができるやろ。

どうなるかわからんという、若い人たちが不安をもって生きるより、大丈夫だ、きっとよくなるという思いでもって、日々の活動に取り組んだほうが若い人たちの活動も力強いものになるわな。そういう政治をやらんとあかん。けど、せんのやなあ、政府は。この税金の問題が、政治が根本から取り組まなければならん課題やね。

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