国内玩具市場、2007年度はDSブーム一服で4年ぶり前年比プラスに

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社団法人日本玩具協会が「東京おもちゃショー」(今年は6月19日~22日開催)出展企業を対象に毎年行っている調査によると、2007年度(07年4月~08年3月)の国内玩具市場規模は、6709億円で、前年度比3%増と4年ぶりに前年プラスとなった。任天堂DS等携帯型ゲーム機のヒットの影響で、玩具の需要は減退傾向にあったが、そのブームも落ち着いてきたことから、玩具の市場にようやく明るさが戻ったようだ。ただ、「希望的にはこれで下げ止まったと言いたいところだが、あと2~3年は様子を見たい。少子化のなか、各社とも玩具の対象年齢層を広げる工夫をしており、その分野が伸びてくれば下げ止まりの手応えが出てくると思う」と、同協会会長でバンダイナムコホールディングス社長の高須武男社長は慎重なコメントをしている。

玩具の販売チャネル自体は多様化しており、玩具の小売業の売上高は、07年度も前年度を下回っているところが多く、家電・カメラ量販店、ネット小売業などの新しい販路での売り上げが拡大しているとの指摘もあった。

07年度の玩具市場で最も伸びが大きかったのは、カードゲーム・トレーディングカードの部門で、前年度比4割増。携帯型ゲーム機人気の影響を最も大きく受けたジャンルだが、「遊戯王」(コナミ)や、「デュエル・マスターズ」(タカラトミー)などの新シリーズが好調で復調を印象づけた。市場規模は545億円と、全体の8%強になっている。また、「Yes!プリキュア5」やクッキングトイ、ビーズ商品などが好調だった女児玩具は、前年度比13%増(443億円)、「仮面ライダー電王」「ポケモン」「トランスフォーマー」などが伸びた男児キャラクター玩具も同11.5%増(396億円)、ミニカーやレールトイの伸びた男児玩具も同10.4%増(500億円)。

一方、市場規模で最大の知育・教育部門は、少子化を反映して前年度比0.5%減(1470億円)と伸び並み傾向は変わらず。また、前年度は「たまごっちプラス」のヒットで拡大したハイテク系トレンドトイも、今年度は点数が少なかったことや、話題となるような大きなヒット商品が不在だったため、前年度実績の約5割(87億円)の水準に落ち込んだ。

同協会では、玩具生産の海外移転が進むなか、開発力の維持や玩具開発者への刺激・啓発などを目的として、今年度から「日本おもちゃ大賞」(審査委員長: 北原照久・トーイズ代表)を創設。07年10月から08年9月までに発売された(予定も含め)応募玩具365点のなかから、第1回の受賞作品を選び、発表した。大賞は5つの部門ごとに選ばれており、受賞作品(企業名)は以下のとおり。
・共遊玩具部門(障害の有無を問わず共に遊べる玩具性を評価)
「おみせでおかいもの おしゃべりいっぱいアンパンマンレジスター」(セガトイズ)
・トレンディ・トイ部門
「∞(むげん)にできるシリーズ」(バンダイ)
・ハイターゲット・トイ部門(大人でも楽しめる玩具など)
「マイクロスロットカー Owner‘sベーシックセット」(タカラトミー)
・ベーシック・トイ部門
「トミカ びゅんびゅんサーキット」(タカラトミー)
・イノベーション・トイ部門(新しい技術やアイデアなど)
「アイクロップス」(バンダイ)

(勝木奈美子 =東洋経済オンライン)

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