さらに言うと、同じ転職者でも職位が上のクラスの求人に対する応募だったり、年収レベルの高いポジションになるにつれて、質問の数が多くなる傾向があります。そしてもっと言うと、採用する側からすると質問をしてくれたほうが、「意欲を感じる」という意味で印象に残るものなのです。
その背景としては、質問をされることによって次のような3つの印象が生じるからだと思います。
1. 応募者自身にとってキャリア上、重要なことが見えている(=きちんとしたキャリア観を持ったうえで、転職に臨んでいる)
2. 事前準備・リサーチをしてきている(=「なんとなく応募」ではなく、会社に対する意欲を感じる)
3. 仕事ができそう(=分析力や理解力、コミュニケーション力があるから質問できる)
冒頭で2つの理由から質問はしたほうがよいと述べましたが、まさに上記のような理由を中心として、2つのうちの後者、つまり「相手によい印象を与えることができる」ということになります。意欲が伝わればそれが採用につながりやすいということは、想像にかたくないでしょう。
「経験」があるから質問できる
そもそも質問ができるということは、物事(この場合は仕事)における経験が豊富であるから、その豊富な経験の引き出しと照らし合わせて質問ができる、ということになろうかと思います。
つまり引き出し(=土台)となる自分の経験があったり、自分なりの考えをキチンと持っているからこそ、その土台と新しい仕事や会社を比較することで的確な質問ができる、ということです。だから質問をすることによって、経験者としての雰囲気をにおわせることにつながり、いい印象を相手に与えることができるのです。
ちなみに、転職ではありませんが、私の前職である戦略コンサル会社においても、クライアントなどに対して鋭い質問ができるコンサルタントとそうでないコンサルタントの違いはズバリ、経験の差でした。経験や知識が豊富であるからこそ、つまり普段からいろいろと考え学習しているからこそ、目の前の事象に対して、自分の中での経験と比較したうえで的確な質問ができるのですね。
転職における質問も同様です。質問をすることによって、相手にいい印象を与えましょう。そしてもうひとつの理由「自分にとっての仕事や職場の見極め」、これも重要です。
その前提としては、「自分にとってよい仕事」「よい職場」がキチンと整理されている必要があります。そうではなく、何となく転職をしてしまうと、「結局合わなかった」「想像と違った」ということになり、転職自体が壮大な無駄となってしまいます。それでは非常にもったいないですし、応募者と採用側双方にとっての悲劇となってしまいます。
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