パリで女子に不評な「無精髭」が流行る理由 ツルツル派の日本人は「週末限定」がお勧め
何たって、フランスは頬と頬を合わせてキスする「BISOU(ビズー)」が習慣なのです。チクチクするのは、マゾっ気のある女性を除けば不評です。でも、チクチク期を通過してセクシュアル期になれば、さほど問題にはならないようです。ワイルドで格好いいし、風格があるようにも見えます。「ベビーフェイスの彼なのに、ひげがあると大人っぽくなって色気を感じる」とか、「ひげのあるなしで好きになったのではないから、彼がしたいのなら自由にしたらいいのよ」と、パリ女性は概ね好意的な意見でした。
そういうわけで、パリではすでにひげなしの方がマイノリティになっています。モードがワイルド(野生)とバーバリィ(野蛮)へ回帰しているとも言えますし、あるいは、「自分はもう男の子ではない、大人の男だ」という主張なのかもしれません。それは、それだけ男性が飼い慣らされていることの証明ではあるのですが、それに抵抗もしないで草を食んでいるだけの、どこかの国の男子と比べれば、少しは褒めてあげてもいいでしょう。
そもそも日本の会社は「ひげ面」NG!!
そもそも日本では、好むと好まざるとにかかわらず、多くの職業や役職でひげが制約されているようです。これまでには、就業規則でひげを禁じることの違法性について、裁判で争ったことがあると聞きました。
フランスでも、警察の機動隊などではひげ禁止です。また、政治家やBCBG(ブルジョワ階級)などの特定の階層では、ひげを生やさないのが一般的です。ひげが市民権を得るほどに、ひげなしのサッパリとしたお肌が、清潔で洗練されているように見えて、ノーブルな雰囲気を醸成するのでありましょう。
ただ、歴史的に見れば高貴さはひげと共にありました。19世紀末から20世紀初頭のベルエポックのころ、紳士たちは皆口ひげをたくわえていました。
さらにさかのぼると、古代ギリシアの哲学者に、中世の騎士団、日本の戦国武将や明治時代の高官たちもそうです。古今東西の身分のある方々は、皆ひげをお持ちなのです。そういった歴史的・民俗的背景を考えてみても、現代社会でひげが少数派であることは否めません。
ただ、目を転じて考えてみましょう。ひげがないということは、ひげを剃っていることにほかなりません。毎日剃る。生きている限り剃る。肌への負担は相当なものです。電気シェーバーであっても、カミソリ負けすることはあります。カミソリ負けや、毛嚢炎(もうのうえん)にならないための最適な対策は、何といっても「髭を剃らないこと」に尽きます。お肌をいたわってあげましょう。
そうはいっても会社でひげは…と渋る日本人男性たちに、最後に一つご提案です。「ウィークエンド無精ひげ」はいかがでしょうか? 休肝日同様、肌休めも必要です。ひょっとしたら、新たな自分の一面を発見する可能性があるかも知れません。
ひげ嫌いが圧倒的に多いといわれる日本女性ですが、「パリでは流行っているんだって」と言えば、奥様や彼女さんに納得してもらえるかもしれません――そんなの無茶か。
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