ANA、訪日客の次は「乗り継ぎ外国人」で稼ぐ インバウンドより勢いづく「三国間流動」とは

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ドバイには地の利があった。「世界のへそ」とも呼ばれ、アジア、北米、南米、欧州、オセアニア、アフリカのどの地域にも直行便を飛ばせる距離にある。オーストラリアから英国、中国・北京から南アフリカといった航路は、経由地としてドバイがちょうどいい位置となる。

空港間のハブ競争はエアラインがカギ

ドバイの例を参考に、各国の主要空港も「乗り継ぎハブ」の座を狙う(写真:Dubai Airports)

羽田や成田には、乗り継ぎのハブとしてドバイほどの地の利があるわけではない。さらに「アジアでは北京や上海、香港、韓国の仁川と競合する」(新堀氏)。たとえば、シンガポールからこれらの空港を経由してニューヨークへ向かう場合、航行距離は1万6000キロメートル前後で大きく変わらない。

その中で勝負のカギは、航空会社の競争力になる。ただ中東勢のように価格で勝負しようとすると疲弊する。そこで強化するのが、機内の付加価値だ。ANA・CS&プロダクト・サービス室商品戦略部の小島永士・企画チームリーダーは、「アジアの中距離路線でも、欧米の長距離路線と同様のサービスや座席を提供する方向へシフトしている」と話す。

羽田や成田とアジアを結ぶ路線に昨年以降投入されている航空機が、ボーイングの「B787-9」だ。これまでアジア路線になかったビジネスクラスのフルフラットシートを導入し、長距離線用だった機内食も提供するようになっている。JALでも中距離路線でのフルフラットシートを徐々に広げている。

路線ネットワーク、ダイヤ、そして機内の充実。海外需要を取り込むためには周到な戦略が必要だ。この6年以上の間意識的に取り組んできたANAでは、少しずつ成果が見え始めた。2016年度は2期連続で過去最高の純利益を更新する見込み。今後は、ここ数年で広げてきた路線網の需要をいかに維持していくかがカギとなる。

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