「韓国LCC」が日本の空に殺到する理由 関空、成田、福岡は毎日「韓国行き」だらけ
チェジュ航空、ティーウェイ航空、ジンエアー、エアプサン、イースター航空、エアソウル――。この中でいくつの名前をご存じだろうか。これらはすべて韓国を拠点とするLCC(格安航空会社)。ここ数年で日本に乗り入れる便を急速に増やしている。
2016年の冬ダイヤ(10月末~3月末)期初時点で、日本を発着する全旅客便に占めるLCCの割合が初めて20%を超えた。日本人や訪日外国人の観光客にとって、LCCはもはや欠かせない交通手段となっている。
インバウンドは中国人だけじゃない
このLCCの成長を支えるのが韓国勢だ。韓国系LCCの日本発着便数は直近2年間で約3倍に増えた。外国航空会社の国別便数を見ると、この10月末時点で韓国は中国を抜きトップだ。韓国行きのフライトは、関西国際空港からは1日40便弱、成田空港や福岡空港からは1日20便強が飛んでいる。
背景には韓国人の訪日旅行客の増加がある。ティーウェイ航空のウ・ヂュウ東京支店長が「年間で平均すると利用者のうち7割が韓国人で、残り3割が日本人」と話すとおり、各社の需要はインバウンドが中心。中国人に注目が集まりがちだが、日本政府観光局(JNTO)によれば今年1~9月に日本を訪れた韓国人は371万人と前年同期から100万人近く増えている。9月単月としては過去最多を記録した。
さらに企業側の事情もある。日本よりも国土の小さい韓国にLCCが6社もあれば、国内線の成長余地は限られる。稼ぎを増やすには国際線に頼るしかない。しかも短距離の日本路線であれば、航空機の稼働率を高めやすいうえ、客にとっては席の狭さも気になりにくい。LCCの強みを生かし、大韓航空やアシアナ航空のようなフルサービスキャリア(FSC)に対抗できるわけだ。
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