「嫁の収入を頼りにする夫」は何も悪くない 家計を助けるのが嫌な女性は結婚するな

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これはある一面、女性を経済的に無能力者にしておいて、結婚という形で男性に従属しないと生きていけない仕組みで、いいかえれば女性は唯一、結婚するしか生きる道はなしとされた制度です。

信じられないことですが、学校の先生や看護師さんさえ、下層階級の人たちの職業とされた時代もあったほどですから、封建時代の因習とか刷り込みの厄介さがわかりますね。

あなたのご友人の発想は元を辿れば、“男は稼ぐ人、女はそのおカネで家を守る人”という古い考えに根差していると感じました。女が働くのはあくまでお飾りで、そのお飾りの稼ぎが必要な結婚は失敗だと、外野でしつこく言っているようなものです。

確かに彼女は、女性が働くことまでは否定していませんが、「夫婦でもカネの切れ目は縁の切れ目」と言っているようで、私が最も嫌うタイプのひとつです。

収入面以外にも働く意義はある

「頑張って妻も稼いで、家族でハッピーになりたいと考えるのはおかしいか?」とのお尋ねですが、全然おかしくないどころか、それが普通です。ぽーちくさんは収入面からのみで、働く意義に言及しておられますが、それと同じくらい、仕事をすることには大切な意味があります。

若くして他界したジャーナリストの千葉敦子さんは、「女性も、経済活動と家の仕事の両方ができてこそ一人前。そのどちらかしかしていない人は、半分の能力しか使っていないことになってもったいない」と、表現していました。今どきこんなことを言えば当たり前すぎて笑われそうですが、女性も働いて当然、稼いで当然なのです。

お尋ねされてもいないことですが、収入が目的でなく仕事をする人も数に限りはありません。たとえば戦後早々、三菱財閥の創始者の岩崎弥太郎氏の孫娘・沢田美喜氏は「エリザベス・サンダースホーム」を設立し、あのような偉業(激しく差別されていた日米混血孤児の養育と学校設立など)を成し遂げられました。

ここまで大事業でなくとも働くということは、人とかかわることであり、そこには学びがあり、自己を実現する努力があり、成長をもたらし、充実した人生に繋がり、そしてそれが社会貢献に繋がるなど、挙げればきりがありません。

しかも生きるために嫌な仕事に従事する人もこの世には多く、その職さえ得られない人も、地球上にはなんと多いことでしょう。働ける健康と環境と社会に生きるだけでも感謝の対象です。

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