人事部を襲う「悪夢のような変化」とは何か? 「自由な働き方」を求める声はますます高まる

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ただし、このように迅速に適応できる企業は、まだまだ限られています。戦後の一定期間は成果を出していたであろう人事システムが確立している企業において、これらのムーヴメントへの適合は、既存ルールとの兼ね合いもあるので、非常に困難を極める作業になります。

新しい仕事が次々生まれていく

グラットン氏も指摘するように、これからの時代、消えていく仕事もたくさんあるでしょうが、新しく生まれる仕事もたくさんあります。

たとえば、いま、既存の分類で言うデザイナーの年収はすごく下がってきています。しかし、コードを書けるデザイナー(アメリカでは、ユニコーンデザイナーと呼ばれます)となると、逆に年収が上がるのです。

『ライフ・シフト』の著者、リンダ・グラットン氏が、NHK「ニッポンのジレンマ」(11月26日土曜日24:00~)に登場します。詳しくはこちら

僕らのような人材サービスは、いまは、従来からある仕事のマッチングが多いのですが、このように、新しい仕事、新しい職種が生まれてきているということを、どんどん明らかにしていきたいと思っています。

そうなっていくと、既存の就業規則や慣習・慣例にとらわれないワークスタイルを求める優秀なビジネスパーソンが確実に増えてきます。顕著な例でいうと、有能なエンジニアにとって「(雇用条件や環境、待遇に関する)要求が受け入れられなければ会社を辞める」という選択は、空前絶後の売り手市場も相まって当然の権利となり始めています。まさに、柔軟性と選択肢を求める個人の欲求に、企業が凌駕される時代となりました。

こういった「例外扱い」が増えていくことは、この「変わりたいが、変われない」という古い仕組みに確実にヒビを入れる、非常に良いきっかけとなっています。すでにベンチャー企業のように若く柔軟な企業においては、これらの要望に対応するための変更や改善が、結果的に就業者と企業双方にとって素晴らしいメリットをもたらしています。

今後、人事は従来の画一的で予測可能性を求められたシステムから、新しい時代に合った柔軟なシステムへの変更を余儀なくされていきます。就業者と共にトライ・アンド・エラーを繰り返しながら、模索し続けることが求められるのです。

それを「悪夢」ととるか、「チャンス」ととるか。もしかしたら、それこそが企業の未来を決定づける、もっとも重要な要素かもしれません。

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