MBA的知識より大切なこと
また、MBAに関しても通常のMBAはお勧めしません。もし行かれるのであれば、ミッドキャリア向けのエグゼクティブMBAや、学位はもらえませんがエグゼクティブプログラムに行かれるのがよいかと思います。ここでもネットワーキングが大きな目的となります。そういう意味では、質の高いミッドキャリアの集まるエグゼクティブMBAが選択肢となるので、マイナーなスクールの2年間プログラムといったものは除外されます。MBA的知識は独学でいくらでも身に付けられますし、この年齢以降で必要なのはハードスキルよりも、全体感や意思決定の勇気といったマインドセットです。
質問者の方は、高いスキルセットを持ったうえでいろいろと悩まれていると思いますが、シンガポール人を含めていろいろなヘッドハンターに会って考えてみてはいかがでしょうか。自分の「値段」も含めて、参考にはなると思います。一方で筆者の経験からですと、やはりこの年齢くらいからは、自分のいるコミュニティやネットワークにおけるリファレンスによって、知り合いから仕事の紹介を受けるほうが確実ではあると思います。
「これから何が面白そうか」を考えてみる
質問者の方は「グローバルに経営にインパクトを与える仕事」を志向されていますが、自分に対して「そうすると何がうれしいのか?」と問うことは重要だと思います。筆者は面接ではいつもそう聞いています。もしかしたら、自分のスキルセットといった軸よりも、「これから何が面白そうか?」という軸で考えてもいいかもしれません。そのために必要なのは綿密な「取材」です。たとえば、各社のエース級人材が集まりつつあるシンガポールで、毎日、必ず1人は誰かに会って「次の成長領域」を探すのはいかがでしょうか?
また、世の中のトレンドはシクリカルであり、移り変わりは早いものです。今一度、日本や世界の近代経済史などの書籍をひもとくのも面白いものです。重厚な書物でなくても、最近では良質な新書がたくさんあります。「グローバルに経営にインパクトを与える仕事」を見つけるためには、歴史の中に自分を位置づけることからも発見があるはずです。世間の成長領域と自分の関心が一致したとき、自分の才能はより伸ばせることと思います。コンサルタントやCFOになるという世間一般のレッテルから離れ、どんな領域でどんな面白いことをしたいのか?と自分に問うことで、「自分は●社の●です」と話すのではなく、「●の案件をやった●です。」言えることを目指すべきです。今から必要なのは、タイトルや資格ではなく、名刺代わりのトラックレコードです。
※ 塩野さんへのキャリア相談はこちら
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