ここからは質問者の方が30代後半からプロフェッショナルとして生きていくことに主眼をおいて整理してみます。ここでのプロフェッショナルとは、お呼びがかかるプロ経営者でもいいですし、自分の名前で食べていけるコンサルタントをイメージしていただいても結構です。
まず、経理・財務の確固たる基盤があることはすばらしいです。やり手の営業マンでも会計やファイナンスがわからなくて、独立してから困る人は売るほどいるからです。営業系の人が経営コンサルタント的独立をした際に、会計・ファイナンスの勉強をしないと、いつまでも事業計画や資金調達についてアドバイスができません。「独立して初めて経理の大切さを知った」からでは、クライアントの租税問題にかかわるには道が長い気がします。ダッチ・サンドイッチがカフェめしとは関係ないことを知っていることが重要です。独立してから数字の話ができないと、だんだんと「気合と根性」の自己啓発系コンサルタントに近づくことはよくある話です。
「経営チームの仕事」とは何か?
経理・財務のスタッフレベルと経営チームを分けるのは、事業計画を本当に経営の意思決定ツールと考えて策定しているか否かです。事業部などから上がってきた数字を単に合算したものが事業計画ではありません。
自分のやっている商売の事業経済性を理解し、財務モデルのドライバーを設定できることが経営視点の第一歩です。何が自分の商売に「効く」数字なのかわからなくてはギャンブルと近似です。経営チームの仕事は、事業環境の変化や他社の動きを予測し、自社のリソースの最適配分を行ってポジションを取った際に、自社の事業経済性にどれくらいのインパクトが出るのか? そのインパクトの出る確率はどれくらいなのか? を財務モデルのドライバーに反映させていき、施策を実行しモニタリングすることです。もし経営に少しでも科学的側面があるならば、「定義して測定すること」こそが本質です。
ある意味で定性的な「こういう変化が起こるはずだから、次の商売はここに攻め込もうぜ」という「経営の意思」を定量化する行為が事業計画であり、中期経営計画であるといえます。
自分が飛行機のコクピットに座って、いくつもの計器(経営指標)を見て、経営という航行をしている。こんな感覚が質問者の方にあるようならば、すでに経営者としての視点があり、なおかつハードスキルに裏付けられているわけですから、どこに行っても通用します。具体的には自分で立案した事業戦略を数値計画に落とし込み、経営者に提言できるスキルとなります。プロジェクトAとプロジェクトBの現在価値やリスクを比較できるような提言です。
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