「あまちゃん」大ヒットで注目増す大人計画 役者の売り込みに尽力した長坂まき子社長に聞く(上)

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いち早く台本を読むことが大事

99年の「母を逃がす」初演。左から池津祥子、阿部サダヲ、村杉蝉之介、荒川良々、宮藤官九郎

――役獲得のためには台本をいち早く読み、劇団員にふさわしい役があれば、すぐに売り込んできたとも聞きます。

台本を読むのが遅く、この役、全部決まったと言われちゃったらムリですからね。とにかく、早くマメに営業に行くこと。とにかく足で稼ぐこと。うちは営業しなければお仕事をいっぱいいただけるような状況ではないですから。待って仕事をいただけることなどありえない。今も昔もそれは変わりませんね。

うちはありがたいことにアルバイトはしていないですね。アルバイトして稽古してでは疲れちゃいますから。20代はいいですけれど、40代、50代になったら厳しい。

――宮藤さんの脚本については、どう売り込んできたのですか。

コント番組の構成作家の仕事はいただいてましたね。「デカメロン」(竹中直人と東京スカパラダイスオーケストラなどが出演したコントバラエティ番組で1997年放送)というTBSの深夜の番組にお誘いいただいた。その前にもいくつかお仕事をさせていただいたりはしてましたけど。レギュラーでお話をいただいたのは、この番組ですね。かっちりコントを書かせていただいた。

――初のドラマ執筆は99年の「親ゆび姫」だそうですね。

(当時、TBSでは)昔話を元にした4話連続のドラマをつくるという企画がありました。若手プロデューサーだった磯山晶さんが、すでに1作目の「人魚姫」を撮り始めていて、最後にまた磯山さんがつくられるとうかがいました。2作目(親ゆび姫)の脚本家は決まっているんですかと聞いたら、まだ決まっていない。じゃあ、宮藤に書かせてもらえませんかとお話をしたわけですね。

――そこで、「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)、「木更津キャッツアイ」(02年)、「タイガー&ドラゴン」(05年)、「うぬぼれ刑事」(10年)などと続く、磯山プロデューサーと宮藤さんの“名コンビ”が誕生したわけですね。大人計画の役者の方も要所でドラマに面白さを加えていますね。

宮藤が脚本を担当していれば、脚本を読むタイミングがほかのマネージャーより早い。ほかの作品に比べ、“この役、うちの誰々にやらせてもらえませんか”とプロデューサーの方にお話するタイミングが早いというよさじゃないですかね。ほかの方が書いている、ほかの会社でつくられているドラマより、単純に脚本を読むタイミングが早いから、候補出しさせていただくタイミングも早いというよさはありますね。それから、宮藤が大人計画の俳優のことをよく知っているわけで、イメージはしやすいと思います。

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