節約下手な人は「ときめき」で買い物している 「要・不要」と「今月の残金」を直視せよ

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それより家計簿に書くべき大事なことは、今手元に残っている「残金」だ。食費や日用品、交際費など、今月使えるおカネのうち、今いくら残っているかを書けばいい。使って消えたおカネのことよりも、次の給料日までにあといくら使えるのかを書くことがムダ遣いを防ぐ有効な手段なのだ。それをしないでいると、給料前におカネが足りなくなってカード払いに頼るはめになる。「残金はこれだけしかない」とわかれば、無駄な買い物はしなくてすむ。したくてもできない。

毎日残金を記入するのは面倒なので、週末にまとめて書けばいいだろう。財布に残っているリアルな残金を書くことがポイントだ。

もうひとつ、心掛けるといいのは、使えるおカネは細かく計算することだ。たとえば月5万円の食費なら、1日あたり1600円程度となる。小遣いが月3万円なら1日1000円だ。「1日あたりコーヒー1杯分のお値段です」というフレーズがあるが、その逆の計算をしてみると、自分が1回に使えるおカネがいくらかが明解に頭に入るだろう。

ときめきよりも「要・不要」

そしてもうひとつ、いろんな方の節約生活を見てきた筆者が気づいた点がある。それは、おカネが貯まる家庭はモノが少ない、ということだ。

モノが少ない=モノをむやみに買わない→おカネが残る、という図式だ。

昨今、モノを捨てるメソッドが大流行りなのは、買い物好きな人が多い証だろう。ときめくモノ以外は処分する、という考え方が人気だが、そもそもときめいたから、われわれはその商品を買ったはずだ。安かったから、みんなが持っているから、好きな色・形だから……と、いろいろときめいては買う予定がないものまで買ってしまうのだ。

おカネを貯めたいと思う人に必要なのは、「ときめき」でモノを買うのをやめることだ。レジに行くまでの間に「これは本当に自分に必要なモノ?」と、問いかけてみるといい。

恋人でいるうちはときめいていた異性も、結婚してずっといっしょにいるとなると、本当にこの人でいいのか多角的に吟味しようと思うはずだ。洋服だったら、この服はどんなシーンで着るのか。これと似た服は持っていないのか。アイロンかけが必須な素材か。家で洗えるのか。こんなふうに多角的にチェックしているうちにときめきは鎮まり、冷静になってくる。

そうした数々のチェックをした結果、合格点がつけられるなら、今度こそレジに向かうとしよう。その服は、もはや「ときめいただけ」の服ではなく、生活を共にするにふさわしい、あなたの伴侶なのだから。

なお、洋服に関して、私は「欲しくなるものは、すでに持っている服」だと考えている。誰でも好きなファッションが決まっていて、手が伸びる服も同じようなタイプのものだろう。

だから、買い物に行く前には、スマホのカメラでクローゼットとタンスの引き出しの中をざっと撮影していくといい。撮っている間にも、今持っている服が頭に入るだろう。特にバーゲンに行く前に必ずこの作業をすると、衝動買いを防いでくれるはずだ。

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