「PDCAを回せない人」にありがちな甘い計画 8つのステップで出たとこ勝負を卒業しよう
特に課題が抽象的であればあるほど解決案も多岐にわたる可能性が高い。
厄介なのは「チームの実行スピードを上げる」(KPI:電話アプローチ件数を50%増)といった複雑な要因が絡み合っている課題などの場合である。
そうした一筋縄ではいかない課題については、解決案を出すために「なぜ現状、そうなっているのか」という要因分析が必要になる。その際、解決案のアイデアがすんなり出てこないということは、要因は自分の視野の「外」に隠れている可能性が高い。
そこに気づくためには自分の思い込みを取り払う必要があるわけだが、それを一人で行うことはなかなか容易ではない。こうした時に本や先輩・上司、アドバイザー、コンサルタントなどの「外部の目」の出番になる。
そうした外部の協力を得てもなお、自信の持てる解決案がわからない場合もあるだろう。
その際は、もしその後に修正のチャンスがあるのであれば、解決案に確固たる自信がなくても、さっさと実行に移して検証すればいいのだ。ただし、もちろん、仮に仮説が間違っていても致命傷を負わない程度にリスクを抑える必要はある。
ステップ⑦:解決案を優先度づけする
最初はたったひとつのゴールから始まったこの計画フェーズも、ここまでくると複数の解決案が紙に並ぶ状態になる。
ここに残った解決案は少なくとも「やったほうがいいもの」(Nice to have)以上のものであるはずなので、理想はすべて実行に移すことであるが、すべてを抱えて中途半端に終わりそうなら、ステップ③と同じように「インパクト」「時間(工数)」「気軽さ」の3つの基準で優先度をつけていく。
見える化し、共有すること
ステップ⑧:計画を見える化する
以上で基本的な計画は立てられたはずである。
もしチームでPDCAを回している場合は、ここまでのプロセスをできる限り共有すること。特に計画者と実行者が異なる時に実行者に解決案だけをポンと渡したところで「仕事は振られたが、なんのための仕事なのかわからない」といったありがちな事態が起きる。実行者のモチベーションはチームの実行スピードに直結するのできわめて重要なことである。
また、個人でPDCAを回す場合でも、計画の文字どおりの「見える化」、特にKPIを目立つところに書き出しておくことを強くおすすめしたい。
私の場合は自室の張り紙はもちろんのこと、携帯のアラートで「今週目標10件!」といったように週の数値目標を表示させたり、利益目標を手帳の日付の欄に毎日書き込んだり、机の周りにポストイットをペタペタ貼ったりと、ゴールを自分の視覚に強制的に入れるためにあらゆる手段を使っていた。
これは自分に喝を入れる側面もあるが、それ以上に意識づけの効果が大きかった。意識づけの仕組みを作ることはPDCAを回すにあたって決して軽視できないことなのである。
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