ディクテーションでも基本は単語
また、ディクテーションのときは、必ず単語一覧を配布します。知らない単語は聞き取れないですから、まずは覚えてしまわなければならない。つまり、このリスニングのトレーニングをしっかりやれば、単語力がむちゃくちゃつきます。
高2のときの授業は、リスニングばかりやりました。もちろんリーディングの指導をしても単語力はつきますよ。でも、リスニングに比べるとリーディングは聞く時間が短いでしょ? ということは、単語を目だけで覚える危険性が高くなる。だから全部リスニングにしたのです。
単語一覧を配っただけで、生徒たちはかなり聞き取れるようになります。その後にディクテーションをもう一度やって、ディクテーションの精度を高めていきます。
そして、ここで初めてリスングの全スクリプトを配布して、音読トレーニングに入っていきます。
Woman: To tell the truth, my girlfriend has been in the hospital. Japanese people often make these to pray for someone’s recovery.
この会話文からは「to tell the truth」「be in the hospital」「pray」「recovery」「what for」の5つの単語やイディオムが、配布した単語一覧の中に入っています。ですので、まずはこれらの発音を確認しながら声に出していきます。
その後、1分間、各自で声を出して覚える時間を与えてから単語テストをします。さっき説明したクイックレスポンス方式で行います。たとえば、僕がdogと言えばみなさんは犬、僕が犬と言えばみなさんはdogと声に出して即座に答えるわけです。
単語を全部知った状態とその前のリスニングでは、理解度に明らかに差が出るはずです。これだけでも、十分トレーニングなのですが、さらに音読トレーニングもしていきましょう。
スクリプトを開けます。生徒たちはここで初めて全スクリプトを目にすることになります。まずは、右側の全訳は見ずに、左側の英語の会話文をざっと見て自分の頭の中で訳していってください。わからないところがあれば、電子辞書を引くなどして日本語に訳してください。音読トレーニングするときに、意味がわからないものを音読してもしょうがないですから、意味をとるところから始めます。
もうちょっと難しいスクリプトですと、わからない生徒が中には出てきますが、少数派のために全部を懇切丁寧に解説して、授業が停滞してしまうのは避けたい。だから簡単な説明にとどめるか、単語の意味に関する質問などは「後で自分で調べろ」と言います。
音読トレーニングをする際は、スクリプトを頭から見ていって発音のポイントを確認していきます。上のスクリプトならthoseのthに注意、forのfはちゃんと発音する。has beenのbeenはスピードが速くなると「ビーン」ではなく「ベン」になる。in the hospitalのところは、nのあとスピードが速いとthの発音が省略されることがある。prayはrを意識して発音しないとplay(=遊ぶ)になってしまう。
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