――15年間で生活はどのくらい変わりましたか?
ヴィリャさん:2000年ごろにはプノンペンからアンコールワットに行くまでに半日かかりました。それが今では3〜4時間、費用も10ドルぐらいで行くことができます。以前は「人生に1度アンコールワットに行きたい、でもアンコールワットに行きたいと願うと、大体かなわない」という神話があるほど難しかった。それが、今では1日で往復できるのです。
私は2000年に留学生として日本に来て、留学生協会で活動をしていました。毎年チャリティ活動として募金を募り、文房具をカンボジアの小学校にあげていたのです。その小学校はプノンペンから40キロほど離れたところで、以前はゲリラの拠点であり、危険でとても行けない場所でしたが、今では自由に行けます。われわれにとって、そこに自由に行けるというのは感動的なことなのです。
――現在は、どこにでも行けますか?
ヴィリャさん:一般的な観光地は大丈夫ですし、以前ポルポト派がいたところにも観光として行けます。イメージを完全に払拭はできないと思いますが、実際に行かれれば感覚としてわかると思いますよ。
プノンペンには地雷があるかと電話で聞かれたことがあります。投資家の方にも知っていただきたいのですが、地雷があったのはタイとの国境沿いや昔の戦闘地などで、観光地やみんなが過ごしているところには地雷はないのです。観光客で地雷を踏んだ人はいないのもそのためです。
カンボジアにも「敬語」がある
――カンボジアは仏教徒が多い国ですね。
ヴィリャさん:はい。仏教徒ということで日本人とも共通するところが多くあります。カンボジアは90%が仏教徒で上下関係は厳しいです。親に対しては丁寧語を使い、お坊さん、王様に対しては別の言語があります。「食べる」ということばでも3種類の言い方があるのです。日本でも「食べる」「召し上がる」など違いがあるのと一緒ですね。
もうひとつのメンタリティとしては、家族を大切にすることが上げられます。日本のように独立して家族と別に住むことは少なくて、私も結婚しても親と住んでいます。結婚すると男性が女性の家に住み込むのが当たり前なのです。ですから娘さんがいっぱいいると大家族になり、逆に男の子だけだと親だけになって寂しくなってしまいます。
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