勝ち続ける人があえて「2位」を目指すワケ

有名プロゴルファーの「強くなる」思考法

西山選手の弱点は、「メンタル」です。百戦錬磨のプロであれば、その経験から、どんな状況になっても気持ちを切らすことなく戦えます。しかしこのとき、西山選手は未知の世界にいたのです。

優勝争いという未知の世界です。そんな未知の世界で、唯一、心の支えになれるのは、キャディーである私だけです。優勝争いやプレーオフで、相手のパットが外れれば勝利というとき、選手によっては、心のなかでこう叫ぶかもしれません。

「外してくれ!」

しかし、こうした局面で相手のミスに期待することは禁物です。自分のプレーが、そこで終わってしまいます。同伴競技者のプレーに一喜一憂していては自分のプレーに集中することはできません。真の勝負とは、相手との戦いではなく、自分との戦いなのです。

やるべきことは、自分のプレーに集中すること。そのように導くことが、指導者である私の役目です。

西山選手はその後、ツアーでは上位の常連に

結局、鈴木選手は、下りの2メートルのバーディーパットを外し、西山選手が栄冠を勝ち取りました。

しかし、鈴木選手のパットの瞬間、西山選手は「外せ」などとは、これっぽっちも思っていなかったはずです。彼女の心のなかには、次のホールに向けての準備しかなかったに違いありません。

勝ちパターンを引き寄せて、手放さないメンタルのつくり方は、優勝した人間でなければわかりません。しかし、その優勝を手にするためには、前述したように、目前の課題を一つひとつクリアし、着実に自分のスキルを向上させていくしかないのです。

西山選手は初優勝以降、ツアーでは上位の常連になっています。「meijiカップ」の成功体験が、彼女に勝つため、あるいは崩れないための戦略、心構え、メンタルコントロールを身につけさせたのです。

次ページ短所に目をつむり、長所を伸ばすべき
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