ナイキのゴルフ用具撤退で始まる選手争奪戦 台風の目、タイガー・ウッズはどう動くか
今週は中国・上海で世界選手権シリーズのHSBCチャンピオンズが開催されている。
米ゴルフ界も大会の展開と勝利の行方を太平洋を隔てた米国大陸から見守っているのだが、ゴルフビジネス関係者がドキドキしているのは、今週、ローリー・マキロイが試合において初めて手にする米ゴルフ用品メーカー「テーラーメイド」製のウッドクラブの“働き具合”だ。
ナイキと契約を結んでいるマキロイがHSBCチャンピオンズでテーラーメイドのクラブを使うであろうという予想は、前週の週末ごろからSNS上で踊り始めていた。
マキロイがドバイで様々なドライバーを試打した結果、キャリーで330.8ヤード、トータルで357.4ヤードという高い数値がテーラーメイドのドライバーで出たということで「だから、きっとテーラーメイドのドライバーを上海で試すはずだ」という噂が飛び交っていた。
ほかのナイキ契約選手はどこに行く?
だが、試打で好結果が出たというだけで、世界選手権シリーズでいきなり使うことはないのではという見方もあり、トラディショナルな米メディアの大半は、この噂には半信半疑だった。しかし、上海入りしたマキロイが本当にテーラーメイドM2ドライバーを握り、3番ウッドと5番ウッドもバッグに入れて練習を始めたため、「マキロイがテーラーメイドのウッドを初使用」は、瞬く間にビッグニュースになった。
さかのぼれば、マキロイがナイキと契約を結んだのは2013年のこと。以後、マキロイはナイキのクラブを武器にして、2014年の全英オープンと全米プロを制するなどメジャー大会や世界選手権シリーズで次々に勝利を挙げ、今年はプレーオフ4戦で2勝を挙げて総合優勝にも輝いた。
しかし、今年8月にナイキがシューズを含むアパレル分野を除いて、クラブやボールといったゴルフ用具市場からの撤退を決めたことで、ナイキ契約選手たち、とりわけマキロイやタイガー・ウッズの今後の用具に注目が集まっている。
いずれにしても、ナイキ契約選手たちの誰もがいつかはナイキ以外のメーカーのクラブに持ち替える必要がある。それは確かだが、問題はそのタイミングと新しいクラブの選び方だ。
マキロイの手元には、ナイキから支給されたボールが3年分ほどあるそうで、ナイキのアイアンも気に入っているため、ボールとアイアンは当面、少なくとも今年いっぱいは使い続けると見られている。
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