慶大推薦女子の恋を「内部女子」が打ち砕く 東京カレンダー「慶應内格差」<4>
栞の心の中。
「もーすぐクリスマスなのに、彼氏がいない!!」――。そんなことを言ってたら、色んなお友達がパーティに誘ってくれた。その中でも、一番ハイクラスそうな外コンのパーティーに3S(栞、早希子、沙羅)で参加決定!
会場に入ると、幹事のマサトくんが早速声をかけてくれた。同僚やOBの若手社長など、友人を次々と紹介してくれる。おかげでパーティーで手持ち無沙汰になることはなかった。
声をかけてくる人はみんな3Sの生態に興味津々。そりゃそうだ。私のアナウンサーという肩書きだけじゃない、超が付くほどの幼稚舎出身お嬢様・早希子に、外銀で働くキャリアウーマンの沙羅。
慶應内部生というコミュニティの中でも私たちはトップクラス。みんなが大学受験のために必死に机に向かっていた間に、私たちは”男の人に気に入られる秘訣”を学んできた。媚びるだけじゃない、時には冷たくあしらい、時には思う存分甘えてみる。社会人として女が生きていく上で最も大切な技術だ。
今日はちょっぴり応用編。外コンの男は何より”ロジカルシンキング”が第一で、女との付き合いにも合理性を求めてくる。そんな外コン男相手に疲れてきたところで、3Sの作戦会議。とりわけめぼしい人もいないので、一通り連絡先はゲットしたところで、帰ろうということになった。
切り出そうとしたその時に…エミリの嫉妬は頂点に
再びエミリの心の中。
社内で誰もが認める若手エースの、マサトさん。いつも妹のように可愛がってくれて、間違いなく一番仲良しな先輩だ。
「エミリ、最近仕事はどう?」
ようやく2人になれた時、いつものように優しく声を掛けてくれた。最近のプロジェクトの話、クライアントの愚痴、何でも親身になって聞いてくれる。
「マサトさん、実は聞いて欲しいことがあって……」。思い切って、切り出そうとしたその時だった。「マサトくん、今日はありがとうございました!私たち、ちょっと飲み過ぎちゃったので帰りますね〜。とっても楽しかったのでまた誘ってください!」栞が帰り際、ひょこっと顔を出し、マサトに声を掛けてきた。出口に向かう3S。
「エミリ、ちょっとごめんね」。そう言うとマサトは席を立って、3Sを追いかけて、行ってしまった。「え〜もう帰えるの?みんなもっと栞ちゃんたちと話したいって言ってるからまた近々飲もうよ。とりあえずタクシー呼ぶからそこで待ってて」。
マサトの顔はいつもの自分に見せる顔とはちょっと違う。大切なものを失わないように大事に大事に扱うような顔。私になんて興味無かったんだ。マサト含め、周りの男は名残惜しそうに3Sに目を向けていた。みんな社会に出て荒波にもまれながらも成功してきたからこそ、”内部”っていう、箱入り娘に魅かれるのかな。
ー内部とは違う世界に生きてる。ー
そんな風に思ってたのに、やっぱり全部持ってくのは内部生なんだ。
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