資格に走る人が知らない「社内価値」の高め方 MBAや市場価値より、ずっと重要なことがある

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それでは、20代後半から30代のビジネスパーソンがMBAプログラムに頼らず、真の力をつけるためにはどうしたらよいのだろうか。

大事なのは、目の前の仕事に「のめり込む」こと

その大前提となるのが、「真の力は仕事を通じてしか身に付かない」ということだ。どれほど経営書やビジネス書を読み漁って勉強しようが、それで力がつくことはありえない。

米国の高名な経営学者であるヘンリー・ミンツバーグはその書著『MANAGERS NOT MBAs』(邦訳は『MBAが会社を滅ぼす』日経BP社)のなかで、哲学者アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドの言葉を引用している。

お勉強で学んだ世界が陳腐なのは、直接経験したことではないからだ。

知識とは、他人が経験したことを間接的に学ぶことにすぎない。知識が直接経験の代替になることはありえない。ビジネスリーダーは、MBAプログラムから生まれるのではない。直接経験こそがビジネスリーダーを育む唯一の道だ。

直接経験といっても、漫然と仕事をしていたのでは、力がつくはずもない。なにより大事なのは、目の前の仕事に「のめり込む」ことだ。自分に課せられた仕事に没頭し、執着する。自分に与えられた任務に一心不乱に取り組み、高いレベルで遂行することが重要である。そして目の前の仕事にのめり込めば、問題意識が生まれてくる。この問題意識こそが、意欲的な勉強へとつながる。

『結論を言おう、日本人にMBAはいらない』(KADOKAWA)。日本を代表するビジネススクールで13年間教鞭を執った著名コンサルタントの結論は、「日本人にMBAはいらない」だった。誰もが驚くMBAの実態から、真の市場・社内価値の高め方まで、すべてを語る! 画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。また、12月14日(水)に著者の出版記念セミナー が開催されます

「勉強のための勉強」に価値はない。明確な問題意識もなくビジネススクールに入学し、与えられるままに教科書を読み、ケーススタディをこなしたところで、力がつくはずもない。

目的があるからこそ、知識が活きる。目的を明らかにすることが、勉強の効果を高める必須条件だ。

そうした問題意識のもと、私自身が経営コンサルタントになって以来、どのような勉強を続けてきたかを最後に紹介したい。それらは4つのタイプの勉強に分けることができる。いずれも特別なことではないが、それらを組み合わせることによって私は力をつけてきたと思っている。

Ⅰ.基礎を身に付ける勉強
Ⅱ.潮流についていく勉強
Ⅲ.現場で感度を磨く勉強
Ⅳ.アウトプットを生み出す勉強

字数の関係で今回は具体例までは書けないが、それぞれの意義と内容については、筆者の著書などを参照してほしい。真の力をつけるためにはどうしたらいいのかがわかるはずである。

遠藤 功 シナ・コーポレーション代表取締役

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えんどう いさお / Isao Endo

早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機、複数の外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。2005年から2016年まで早稲田大学ビジネススクール教授を務めた。

2020年6月末にローランド・ベルガー日本法人会長を退任。7月より「無所属」の独立コンサルタントとして活動。多くの企業のアドバイザー、経営顧問を務め、次世代リーダー育成の企業研修にも携わっている。良品計画やSOMPOホールディングス等の社外取締役を務める。

『現場力を鍛える』『見える化』『現場論』『生きている会社、死んでいる会社』『戦略コンサルタント 仕事の本質と全技法』(以上、東洋経済新報社)などべストセラー著書多数。

 

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