急増する「買い物が面倒くさい」人のホンネ

「生活者1万人アンケート」でわかったこと

我々の調査では、直近2015年で大きく構成比を高めていたのは、「利便性消費スタイル」(多少高くても、手に入りやすいものを買う)だった。

「利便性消費スタイル」が顕著に伸びている

現代日本の消費者は忙しい。雇用状況の回復や女性の社会進出推進の気運、消費増税による生活費増などを背景に、共働きを選択する夫婦が増えた。消費盛りの子育て世代は、おカネに余裕はできたものの時間がない家族が増えたのだ。

また、市場は成熟化し、買い物の選択肢とそれにまつわる情報は膨大だ。たとえば、今、自分がテレビを買おうとしたときに、画素数、音質、その他機能についての多くの「スペック情報」でしのぎを削る商品群が、店頭やネット上に並ぶ。自分が重視すべきスペックは何なのか、結局どれを買うことが最も自分のニーズに合っているのか、買う側にとっては本当に判断が難しい。

「スマホで疲れ目がひどいので、目に優しいテレビがほしい」「料理しながらキッチンから見ることが多いので、遠くでも音がクリアに聞こえるとよい」などのちょっとした自分の希望を叶えてくれるスペックを持つ商品はどれなのか、誰かに教えてほしいと思ったような経験はないだろうか。

さらに、ここ数年でスマートフォンは若者を中心に、その上の年代のビジネスマン、主婦、シニア層にまで大きく普及した。誰もが「24時間願いを叶えてくれる小さな魔法の機械」を持つに至った現在、わざわざおカネと時間をかけて、探して選びぬいてまでほしい商品・サービスにはなかなか出会わなくなっている。

結果、どれがよいか迷ったり、自分に合うものを探したりといった消費の“醍醐味”を楽しむ傾向が希薄化し、「考えずに買いたい」消費者が増えている。モノを買うのが面倒くさい、そんな消費者の意識がデータからは見てとれる。

スマホの小さい画面でいちいち情報比較はしない

スマートフォンの普及はもうひとつ大きな変化を消費者にもたらした。インターネットが手のひらサイズの機器で外出中に楽しめるものとなった結果、部屋にこもってパソコンに向かうのではなく、街に出かけるようになったのだ。余暇の過ごし方も様変わりし、直近2015年調査では、パソコン、ビデオ・DVD鑑賞、ゲームなどの「巣ごもりレジャー」を楽しむ人の数が減少、外食・グルメ・食べ歩きや映画・演劇鑑賞など、近場で友人などと楽しむ「街レジャー」が伸長している。街に出て外食やイベント、人付き合いなどのコト消費におカネと時間を使うようになった結果、「買い物」に使うおカネと時間はさらに減ることになる。

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