そして、ギリシャが再び焦点に 景気・経済観測(欧州)

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一方、連立を組むPASOKの支持率低迷に歯止めが掛からない。改選前は129議席で最大勢力だったPASOKは、昨年6月の選挙で13.2%の獲得票率にとどまり、改選後の議席を41に減らした。選挙後に支持率は一段と低下し、最近では6~7%程度にとどまっている。

こうしたなか、次に選挙が行われた場合、PASOKに代わって第3党に躍進しそうなのが、極右のナショナリズム政党「黄金の夜明け(Golden Dawn)」だ。同党は移民排斥を訴え、外国人に対する暴力行為への関与やファシズム信奉も噂される。しかし、ギリシャ国籍を有する者に身分証明書の提示を条件に、食料品や生活必需品を無償で配布するなどして、主に貧困層や若者からの支持を伸ばしており、最近の支持率調査では11.5%となっている。

ギリシャの失業率は25%を超え、若年層では60%超に達している。一部の景況感に改善の兆しが見られるものの、国民が肌で感じる不況の痛みは一段と増しており、次の選挙では極左や極右勢力がさらに躍進する可能性もある。

再選挙実施でも単独過半数難しく、再び3党連立に

ギリシャの議会選挙は比例代表制で定数は300議席、①獲得票率が3%未満の政党は議席を獲得することができない、②3%以上の票を獲得した政党の間で、それぞれの獲得票率に応じて250議席を配分する、③安定した政権運営を行うことを目的に、最大票を獲得した政党に50議席のボーナスが与えられる。

最近の世論調査の結果に基づき、再選挙が行われた場合に予想される各党の獲得議席数を試算したところ、NDがボーナス議席を含めて120議席程度を確保すると見られるが、単独での過半数獲得は困難な情勢だ(図)。

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