中国重視の修正を図った、仏オランド大統領 アベノミクスは、自国経済再生のヒントになったのか?

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財政面でも日本と同様、厳しい状況にある。政府債務残高の対国内総生産(GDP)比率は12年時点で約90%に達しており、ユーロ17カ国では6番目の高さ。15年には同94%まで上昇する見通しだ。これに対して、ドイツは12年の同82%から15年には同76%まで低下が見込まれる(いずれもIMF予測)。フランスの「レ・ゼコー」紙は大統領訪日前の記事で、「フランスが日本をお手本にするようなら極めて心配」というドイツ高官のコメントを取り上げている。

経済産業研究所の中島氏は「共通点が日仏両国には多い」と語る。先進国の中では経済が停滞ぎみ。市場原理主義一辺倒ではなく、「連帯」などを大事にする国民性…。「似たものどうし」であれば、確かにお互いの成功や失敗に学ぼうとするのは理にかなった方法かもしれない。フランス国内では支持率低下に悩むオランド大統領。初めて足を運んだ「日出づる国」(注:フランスでは日本をこう表現することがある)で、巻き返しに向けたヒントを探し出すことができたのだろうか。

松崎 泰弘 大正大学 教授

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まつざき やすひろ / Yasuhiro Matsuzaki

フリージャーナリスト。1962年、東京生まれ。日本短波放送(現ラジオNIKKEI)、北海道放送(HBC)を経て2000年、東洋経済新報社へ入社。東洋経済では編集局で金融マーケット、欧州経済(特にフランス)などの取材経験が長く、2013年10月からデジタルメディア局に異動し「会社四季報オンライン」担当。著書に『お金持ち入門』(共著、実業之日本社)。趣味はスポーツ。ラグビーには中学時代から20年にわたって没頭し、大学では体育会ラグビー部に在籍していた。2018年3月に退職し、同年4月より大正大学表現学部教授。

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