肥満や喫煙「やっぱり健康に悪い」という根拠 生活習慣病の予防知識を把握しておこう

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肥満になることで、高血圧と糖尿病になるリスクがどれくらい高まってしまうのかを調べた研究を紹介します。40~79歳の男女約6万8000人を肥満の指標であるBMIと高血圧との関係から調べました。BMIを低い方(やせている方)から順に7つのグループに分け、最も低い「19.0未満」の高血圧の発症率を「1」とした時、それ以上の6つのグループの発症率が何倍になるのかを計算してみると、年齢・性別問わずBMIが高くなるほど(肥満になるほど)、高血圧の発症率が上昇しました。 

糖尿病の発症についても、肥満との関係を示すデータがたくさんあります。欧米や日本を含むアジアの18の追跡研究の結果をまとめたデータでは、肥満でない(BMI「25.0未満」)グループを基準にした時、追跡期間中の糖尿病の発症リスクは、BMI「25.0~29.9」で約3倍、BMI「30.0以上」では約7倍になると推定しています。

暴飲暴食が肥満と本当に関係があるのか?ということを調べた研究もあります。大阪府と秋田県の30~69歳の3287人を対象に「食べる速さ」だけでなく「満腹になるまで食べるかどうか」も分析してみると、男性、女性ともに、「早食い」もしくは「満腹になるまで食べる」習慣のある人は、いずれの習慣もない人に比べて肥満である確率が約1.5倍高く(年齢や喫煙、身体活動の量、エネルギー摂取量など肥満と関連する条件をそろえています)、両方の習慣を持つ場合はさらに高く約3倍になっていました。

1日20本以上の喫煙で死亡リスク6倍に

忘年会などの場では、喫煙も進んでしまいがちです。喫煙が体に悪いのは言うまでもありませんが、実際にどれくらい悪影響を及ぼすのか、それを調べた研究もあります。

40〜79歳の日本人男性4万1782人、女性5万2901人を約10年間追跡調査した結果で、喫煙と冠動脈疾患による死亡の関係性を調べました。また、日本国民の中からランダムに選んだ30歳以上の男女9638人を14年間追跡調査し、喫煙と脳卒中による死亡との関連も調査してみました。いずれの研究においても、喫煙本数が増えるにつれ冠動脈疾患や脳卒中によって死亡する確率は上昇することがわかりました。

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