糸井重里「楽しいからこそ、仕事はできる」 糸井さんと、これからの働き方を考えてみた(上)

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――「おもつらい」という糸井さんの言葉がかつてありましたが(笑)。

ありましたね(笑)。釣りばっかりしてる時ね。

注)「おもつらい」=「おもしろい」+「つらい」。糸井さんの著書『誤釣生活―バス釣りは、おもつらい』(1996年刊)に、バス釣りの「おもつらさ」が書かれている。

働くのは、おもつらいんですよねえ。「じゃあ、やめればいいのに」っていわれると、「イヤだよ」というね。だから、今回も「働きたい」というポジティブな側の言葉で語りたかったんです。

――糸井さんが「楽しく働く」という言葉で、すぐ思い浮かぶ人や場所はなんですか。

ぼくはスポーツ観戦が好きなので、どうしてもスポーツの話になってしまうんですけど。

スポーツ選手ほど苦しい仕事ってない。だけど、あんなに楽しそうに見える仕事もないですよね。試合に負けて「ダメだー!」って落ち込んでも、絶対やめないでしょう。

だから、ヘラヘラ笑っているだけが楽しいわけじゃなくて、「生まれてきてよかった!」とか、「生きてきたかいがあった!」というのが、本当の楽しさだと思うんです。その楽しさは一瞬しかなくても、けっこう自分を奮い立たせることができるんですよね。

編集の仕事なんかもそうだと思うんですけど、誰かがちょっと「あの記事、よかったね」って言ってくれるだけで、いろんな苦労がふっ飛ぶでしょう。

――そうですね(笑)。

で、またやろうと思う。

――私も毎日、記事を更新していて、失敗も多いのですが、いい反響もたくさんあって、それがやっぱり励みになりますね。

打席が多いって、重要ですよ。

アイデアだって、1000個考えている人がひとつのいいアイデアを出せるんです。10個や20個考えて、「私、いいアイデアがなかなか浮かばないんです」って、それはムリですよね。出す人は絶えず何か考えていますよ。それが、打席が多いことのすごみですよね。

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