日本ハム、広島を破った最強チームの育成術 強さの秘密は「フロント主導」にある

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そもそも栗山監督の最高傑作である大谷翔平の二刀流も、かつては三原氏が用いた選手起用だった。近鉄を率いて永淵洋三を投手兼打者、71年ヤクルトでは外山義明を「1番投手」で出場させている。

第1戦に先発した大谷は、広島の機動力に巻き込まれて敗戦投手になったが、札幌ドームに戻って「3番DH」に入った第3戦の延長10回にサヨナラ打を放って、シリーズの潮目を変えた。

ただ、この日本一の背景にあるのは、「フロント主導」で進められるチーム作り。そこに、強さの秘密が隠されている。

その年の監督にチーム編成の全権を与えて、その都度チームの方向性が変わる球団もある。が、日本ハムではあり得ない。

中長期を見据えた「日ハム流」人材育成

現場の監督にチームの戦力分析、補強を任せるのは危険性をはらむ。監督は自らが目先の勝利にこだわるあまり、中長期的なビジョンを描けないからだ。

例えば、外国人獲得にしても、代理人を通してスカウティング、交渉をするチームがほとんどだが、日本ハムは代理人に依存せずに独自で調査、発掘を続ける。

日本シリーズで3勝をあげたバースはメジャーとマイナーを往き来していた"お宝"だった。MVPに輝いたレアードは、マイナーの3Aで埋もれていた人材を何年も追い掛けた。そうかと思えば、メンドーサはメジャーのロイヤルズでローテーション入りしていた実力派だった。

千葉・鎌ヶ谷に本拠を置くファーム組織の位置付けでも「ベテランの調整の場ではない、若手育成の場」と確固たる方針を貫く。

特に、高卒選手については、投打に数人の「強化指定選手」をリストアップする。そして、年間打席数、登板数、イニング数を設定し、徹底的にそれを消化させる。

その"虎の穴"から若い芽をだしたのが、このシリーズで貢献した24歳の西川(智弁和歌山)、25歳の中島卓也(福岡工)らで、陽岱鋼(福岡第一)も強化指定枠から主力に育っていった一人だ。

ドラフト補強でも「その年のナンバー1を指名する」という方針は変わらない。大リーグ行きを翻意させて大谷を必死に口説き、プロ入り後は二刀流を貫かせた。大きな結果を出したことで、もはや批判の外圧は消え失せた。

決して、ぶれない。「フロント」「現場」が一体となって大輪の花を咲かせたドラマは、ここから連覇に向けて続編に突入する。

寺尾 博和 日刊スポーツ新聞社大阪本社編集委員

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てらお ひろかず / Hirokazu Terao

てらお・ひろかず 日刊スポーツ新聞社大阪本社編集委員。阪神、近鉄、南海、ダイエーなどを担当、野茂英雄のメジャー行きから現地に派遣される。2004年球界再編を取材、2008年北京五輪、09年WBCなど国際大会などで日本代表チームのキャップを務める。現在は主に東京五輪での野球ソフトボール復活を取材中。ミニストップ社とコラボでオリジナルスイーツ作り、オリジン社と弁当開発を手掛けて全国発売するなど、異色の名物スクープ国際派記者。大体大野球部出身。福井県あわら温泉生まれ。趣味はスポーツ、歌舞伎、舞台鑑賞。毎週木曜日にABC朝日放送「おはようコール」のコメンテーターとしてレギュラー出演。

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