海の森水上競技場には何が埋まっているのか

東京湾に70以上もある人工島の正体

現在50代以上の方なら1960年代初頭、江東区の夢の島が、見渡すかぎりうず高く積まれた荒廃したゴミの山で、悪臭と大量発生したハエが飛び回る地獄絵図のような公害の島だったことを覚えていると思います。そんな夢の島もやがてゴミでいっぱいとなり、その上にきれいな土が盛られ、現在は緑豊かな公園になっています。

そして東京都が次に選んだゴミの最終処分場が若洲であり、ここはかつて「新夢の島」と呼ばれていました。その若洲も今は美しい海浜公園となり、次に造られた処分場が中央防波堤なのです。

中央防波堤は大きく2つの地域に分かれています。現在すでに埋め立てが終わっている内陸側が「内側埋立地」、ここはかつて「3代目夢の島」と呼ばれていました。そして運河を挟んだ外海側が「外側埋立地」、これが「4代目夢の島」です。ちなみに話題の「海の森水上競技場」は、2つの島の間に流れる運河を利用して造ろうという構想です。

メタンガスを排出させるパイプが至る所に

その中央防波堤外側埋立地は、高さ30メートルほどのゴミで埋められた小高い丘が続く荒涼とした島です。そこには人の背丈を超える高さの鋼管が至る所に刺さっています。埋め立てた地中の廃棄物から発生するメタンガスを排出させるパイプです。かつて1960年代の夢の島ではゴミをただ捨てて山積みにしていた結果、発生したメタンガスが自然発火して火事となり、何日間も燃え続けるという事態が幾度も起こったことから、このような措置が取られているのです。

汚水を処理するため「年間25億円」

もうひとつ埋立地を管理する中で重要なのが「浸出水」の処理になります。簡単に言うと、埋め立てたゴミの中を通ってしみ出してくる雨水のことです。埋め立て処理場にかかわる人はこれを「しびれ水」と呼びます。誰に聞いてもその語源は定かではないのですが、一見して何とも毒々しい茶褐色の水で、どう考えてもこのまま海に流してしまっていいものでないことは一目瞭然です。このような有害な水が、いつ何時大雨が降って東京湾に流れ込んでしまっては困るので、ここには汚水を処理する排水処分場が設けられ、年間25億円もの予算を投じて、微生物や薬品などを使って本格的にきれいな水にしています。

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