米テスラCEOが描く、再生エネルギーの未来 最も有望なのは、太陽光だ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
Elon Musk●米ペンシルベニア大卒。スタンフォード大学大学院へ進学したが、退学してソフト開発会社を起業。テスラモーターズCEOとソーラーシティ会長のほか、宇宙船ベンチャー、スペースXのCEOも務める。

──米国ではソーラーシティのサービス提供エリアを拡大しています。発電手段として太陽光は依然有望だと考えていますか。

長期的に見れば太陽光が最も有望な発電手段だと考えています。いまだにそのすごさがあまり理解されていませんが、太陽光は曇りでも発電可能ですし、通常は1平方メートル当たり1キロワットものエネルギーがあります。つまり、変換効率20%の太陽光パネルがあれば、1平方メートル当たり200ワットの発電が可能で、1平方メートルの土地があれば200メガワットも発電できる。

もちろん太陽光発電が唯一の手段ではありませんが、太陽光は長期的な視野に立った場合、最も有望でしょう。風力、地力、潮力、水力も「尽きることがない」という点で持続可能なエネルギーではあります。

実のところ、原子力も自然災害の影響を受けない地域で使われるのであれば、悪いオプションではないと考えています。立地的に安定した地域であれば、原子力が本質的に悪い、ということはない。たとえば、フランスは自然災害の影響を受けにくいので、フランスで原発を使うというのはそれなりにスジが通っている。一方、日本は地震活動が活発すぎることから原発はよい選択といえない。カリフォルニア州も同様です。

シェール革命後も再生エネは必要だ

──その一方で、米国では目下「シェール革命」が起きており、発電手段としてはガスや石油が見直されているようです。

かつては掘削が難しかった場所からガスを採掘するようになった結果、水圧破砕による環境破壊の問題が浮上している。シェールガスの埋蔵量にも限りがあり、将来的に掘削がより難しくなるのは間違いない。同時にガス火力発電を利用するかぎり、CO2の問題もある。CO2を放出することによって大気の化学組成を変えることは、地球に対し化学の実験を行っているも同じです。

次ページ技術革新の必要性とは?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事