米テスラCEOが描く、再生エネルギーの未来 最も有望なのは、太陽光だ

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日本版再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)開始から7月で1年。太陽光など再生可能エネルギーの存在感はいまだ薄い。米国では「シェール革命」によってガスに注目が集まるなど、エネルギー業界を囲む環境が世界中で目まぐるしく変わる中、再生可能エネルギーの普及は進むのか。
環境問題の解決をライフワークとして掲げ、電気自動車(EV)ベンチャーのテスラモーターズCEOや、米太陽光発電企業ソーラーシティ会長を務めるイーロン・マスク氏に日本や世界での再生可能エネルギーの展望について聞いた。

FITでは再生エネの長期的な普及促せない

──日本版FITが始まり、そろそろ1年経ちます。再生可能エネルギーの普及を加速するには何が必要でしょうか。

長期的な普及を促すには適切な制度の実行が必要不可欠ですが、FITは急速かつ短期的な普及を後押ししても、長期的普及を持続させるにはほかの政策アプローチと比べて高コストかつ非効率的になりがちです。一般的にFITは市場状況に迅速に対応することができず、対応できたとしても、急速かつ劇的に価格が下落するため市場を混乱させ成長を妨げてしまう。これはすでにドイツ、フランス、スペインなどで起こったことであり、日本においても同様の危機は免れないでしょう。

一方、最適な振興策とは、顧客の太陽光発電に対し適切な控除を行いながら、プログラム自体が高コストで持続不可能にならない程度の金銭的報酬にとどめるものであり、米国のネットメータリングはその代表例。これは顧客の太陽光によるキロワット時単位の発電量を将来の使用電力量から控除する制度です。

また、優れた推奨策は発電業者のコスト削減を促すために、段階的に買い取り価格を下げるようになっています。ただし、発電業者が前もって事業計画を立てられるよう、急激な価格下落は起こさない。米カリフォルニアソーラーイニシアティブ(CSI)はこうした制度の代表例で、過去5年間にわたって徐々に、しかし着実に買い取り価格を下げてきました。CSIはほぼ終了していますが、カリフォルニア州の太陽光発電市場は拡大し続けています。

日本についていえば、発電量に基づいた報酬と、総量ベースの削減を盛り込んだネットメータリング法の施行を強く推奨します。このアプローチはFITに比べてはるかに低コストで、長期的に太陽光発電業者の助けになります。また、ネットメータリングは電力会社間に競争をもたらし、最終的には太陽光発電を促進させることができます。競争が技術革新を促し、それこそが究極的には消費者の利益となるのです。

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