50歳以上だけ採る社長が説く「人生の変え方」 5つの基準で考えれば、いつでもやり直せる
初めての経験なので、私は社長に素朴な疑問をぶつけた。
私:「若手がいない会社にご訪問するのは初めてです」
社長:「そうでしょう。ほかにはあまりないと思います」
私:「なぜ若手がいないのでしょうか?」
社長:「簡単ですよ。採用していないからです」
私:「採用していない?」
社長:「そうです。ウチでは50歳以上の人しか採用しません」
常識的には考えられない会社だ。採用といえば、どの会社も若手をほしがるのが普通だからだ。私は経営者にその理由を尋ねた。
社長:「不思議ですか? 普通に考えればそうですよね。でも、採用には年齢以外にもちょっとした基準があります」
私:「どんな基準ですか?」
社長:「人生を変えたい、という人だけを採用しています」
人生を変えたい、とはまた大仰な話だ。この経営者は何を考えているのだろうか。私はその真意を確かめたかった。
人生を変えるのは、誰でも、いつでもできる
私:「50歳以上で、かつ人生を変えたい人、ということですよね? 変わっていますね……」
社長:「そうでしょう。普通は『人生を変えたいなら、若いうちにやらないといけない』と言われていますから。でも、人生を変えるのは、誰でも、いつでもできます」
私:「ぜひ、そのお話、もう少し聞かせていただけないですか?」
社長は快く引き受けてくれたが、私はまだ半信半疑だった。
社長:「私は社員にいつも言っているんです。人生を変えるには、ほんの少しのことを知るだけでいいと」
私:「はい……」
社長:「1つ目、人生を変えるのは、一発逆転の出来事ではなく、ささいな日常の習慣です。『続けること』そのものに価値があります。
たとえば、『早起きをする』でも、『通勤時間に必ず本を読む』でもいい。仕事も同じです。『電話を毎日10本する』でも、『お客さんにこころを込めてメールを書く』でも、なんでもいいです。とにかく、小さい習慣から人生は変わります」
私:「でも、大きくは変わらない気もしますが……」
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