人気化!日本アニメ「復活」の日が迫っている 世界が求め始めた"ガラパゴスアニメ"

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庵野監督は「日本アニメはいい意味でガラパゴス。既成の文化に迎合せず、日本人の感性で想像上の世界を自由に描き、それを面白いと感じてくれる海外ファンが積極的に見てくれている。元来のアニメは子ども向けだが、アニメで育った世代の年齢が上がるごとに、少しずつ作品も変化して大人が楽しめるアニメが作られるようになった。日本以外にこうした市場は存在しないが、作品に対する評価は万国共通。オタクが求めるものには共通性がある」と指摘する。

川上社長は「(日本アニメが売れなくなったのではなく)子ども向け番組を探すバイヤーが買い付けたいアニメが減ってきただけ。ではグローバルの視聴者ニーズに合ってないかと言えば実は違う。番組編成に合わないからとバイヤーが買ってないだけで、日本アニメで育った大人が見るアニメを求めている海外の消費者はいる。映像作品がネットを通じて配信されるのが当たり前の時代を迎えたことで、クリエーター側の意識も変化してきた。配信ならばバイヤーの都合にかかわらず、直接、視聴者に届けられる」と話した。

日本アニメには「3つの分野」しかない

庵野秀明監督(右)とカドカワの川上量生社長

もちろん、作品としての質が高くなければ、従来と異なる流通経路が生まれても売れはしない。しかし、日本市場だけでなく海外での配信を意識して、新しい感性のクリエーターが作品を作れる環境が生まれれば時代は変わるかもしれない。

両氏はまた「日本アニメは市場環境が成熟して子ども用品と関連付くキッズ、DVD/BDで投資回収するシニア、それにジブリ作品に代表されるファミリー向け劇場作の3つの分野しかない」と指摘。既成のビジネスモデルから解放され、自由な視点とコンセプトで作品を生み出せる環境を提供することが大切だと話した。

川上氏は「日本アニメ(ーター)見本市」を継続するとともに「プロジェクトからヒット作品を生み出し、単なる支援ではなく投資ビジネスとして経済合理性を証明していきたい」と語り、今後も継続支援を行っていくと話した。

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