ソニー社長、物言う株主に「前向き」 経営方針説明会、3つのポイント

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前期においてデジカメ、パソコン、ゲーム機などの販売台数は期初計画を大幅に下回った。そのため、現実的な売り上げ目標に切り替えたかっこうだ。エレキ事業全体に占める3事業の貢献度が下がる分は、今期赤字脱却を果たす見込みのテレビなどの貢献増を見込んでいる。

その3:自らのリーダーシップへの「自信」

「ソニーはお客さんの期待を超える機能価値と、心を動かす感性価値を提供する会社でなければならない」――。

平井社長は“機能価値”“感性価値”という言葉を使い、ソニーの存在意義について熱弁をふるった。「エレキでいえば機能価値を満たしてはいても、感性価値を満たしたものは私の目からみるとほとんどない」。

平井体制以後、デジカメでは「DSC-RX1」、スマートフォンでは「Xperia Z」のように評判のいい製品が相次いでいる。こうした製品の開発には平井社長自身が積極的に意見を述べているという。自分がリーダーシップを発揮した製品群の評判が上々なことから、自らの「感性」に自信を深めているようだ。

「新規事業創出、コア事業強化のための戦略的投資、構造改革については、私自身が意思決定をした」。半導体(CMOSイメージセンサー)の増産投資、ネットワークサービス企業の米ガイカイ買収、オリンパスへの出資と合弁会社設立などについては平井社長が経営トップとして自ら決断したと説明した。

今回の経営戦略説明会では平井社長の横に加藤優取締役CFOが並んだほか、記者席の右側には全執行役がズラリと並んでいた。記者からの質問の内容によっては執行役が回答することもある、という想定のもとに控えていたのだが、平井社長は加藤CFOに一度発言の機会を与えただけで、それ以外はすべて自分自身で回答した。これも自分自身のリーダーシップに対する自信の表れにみえた。

(撮影:今井 康一)

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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