「会話でしくじる」痛々しい人の3つの特徴 「オチ」とか「ボケ」は要らない!

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③予想とまったく異なる「望まない結果」をストレートに伝えられた場合

たとえ望まない結果でも、前の2つの事例のように「感情的な逆ギレ」や「未練タラタラ」とは対極の「潔さ」で次につなげる対応をしましょう。
「そうでしたか……。いろいろお力を尽くしていただきありがとうございました。○○さんのお力があったからこそ私たちもここまで頑張ってこれたんだと感謝しております。ここから先は、もう二段三段、知恵を絞り切ったところでまた是非お願いいたします。本当にありがとうございました!」

こんな風に「想定外」にもくじけない対応ができるのは、「防衛的悲観主義」のおかげです。

さて、防衛的悲観主義とは何でしょうか?

これが「しくじらない心理技」です。

悲観的な視点が、意外な力を発揮することも

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一般的にビジネスでの成功を目指すなら「楽観的であれ」と言われます。「物事を前に進めよう」というときには、ネガティブに後ろ向きに悲観的に対処するより、ポジティブに楽観的に前向きにという攻めの姿勢が大切だとの考え方には大賛成です。

しかし、「失敗することだってなくはない」という悲観的な視点も持っておくことが、意外な力を発揮することがあります。

あなたの周りにもいませんか?

何かにつけ「ダメだ。失敗だ。もうおしまいだ」と言っておきながら「うまくやりぬけ、乗り切っている人」が!

こういう人は、常日頃から「失敗もありうる」という現実を常に頭の中に置き、失敗しない別の道や、いざ失敗したときの挽回方法まで用心深く考える習慣を身につけています。

成功面だけではなく、「しくじり」をリアルにイメージしますから、しくじり防止策についても、単純に何とかなるという陽気な人よりずっと用意周到です。しくじらないための対応策、成功のためのリハーサルも楽天主義の人以上に真剣かつまじめに行います。しくじりへの「危機意識」としくじったときの対策が進んでいる分、結果として「大しくじりで立ち直れない」というケースを少なくする可能性があります。

自分は会話でしくじっている……と感じている方に、何らかご参考になればと思います。

梶原 しげる フリーアナウンサー

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かじわら しげる / Shigeru Kajiwara

1950年、神奈川県生まれ。早稲田大学法学部卒業。文化放送に入社してアナウンサーとなり、92年からフリー。司会業を中心に活躍中。東京成徳大学客員教授(心理学修士)。日本語検定審議委員。
著書に、『口のきき方』『すべらない敬語』『不適切な日本語』(新潮新書)、『まずはドジな話をしなさい』(サンマーク出版)などがある。

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