東京で「セルフ焼き肉」が密かに流行する理由 「お任せ焼き肉」と比べた使い勝手は?

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焼き肉はここ数年、希少部位、赤身肉、熟成肉とブームと言える傾向にあると思います。「焼き肉女子を狙う人気店の驚愕スイーツ戦略」でも書きましたが、女性客の需要の掘り起こしも出来てきて、焼き肉女子は増加傾向にあると言えます。女性客の掘り起こしで、肉会と称し、焼き肉を食べる機会が増加しています。機会増加により、焼き肉店側の論理だけでなく、食べる側の論理として、セルフ焼き肉増加を後押しする要因が2つ考えられます。

1つ目の理由は、焼き肉のクオリティ維持、向上です。焼き肉を食べる機会の増加した焼き肉愛好家達は、肉のクオリティを落とした焼き肉店に一度は行くかもしれませんが、リピートはしません。牛枝肉高騰の情報は知られた情報ではあるもののやはり、ある程度の肉質を知ったレベルの人が、肉質のレベルを落とすことに抵抗があります。だったら、少しくらいセルフで不便でもおいしい肉を提供して欲しいと考えるので、クオリティを維持、向上してくれる焼き肉店は大歓迎なのです。

利用客が肉を焼くことにこなれてきた

2つ目の理由は、その肉を焼くという行為にこなれてきたということです。「焼き肉の美味しい焼き方を知っていますか?」にも書きましたが、いくらクオリティの高い肉を提供しても焼き方がこなれていないと、肉はおいしく仕上がりません。当然ですが、肉焼きの技術は焼き肉店への訪店回数とともにスキルアップしていくものです。セルフ焼き肉の流行を下支えするのは、焼く方の顧客にこなれた感が求められます。つまりセルフ焼き肉には、顧客に焼く技術が求められ、担保されるからこそ、成立するのであり、これが後押しする要因になります。

食べログで焼き肉ランキング常に上位人気のSATOブリアン(杉並区)が会員制のセルフ焼き肉のSATOブリアンJr. をオープンさせました。人気焼き肉店がセルフ焼き肉に参入してきた以上、増加の勢いは今後も止められないでしょう。

小関 尚紀 リーマン作家/MBA

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こせき なおき / Naoki Koseki

1970年、大阪府生まれ。サラリーマン作家。筑波大学大学院ビジネス科学研究科博士課程後期中退。早稲田大学大学院ビジネススクール修了(アジア太平洋研究科修士課程国際経営学専攻/東出浩教ゼミ)経営学修士。修士論文は『キャラクター選好プロセスモデルの探索的研究』 現在、都内企業に勤務しながら作家としての活動を行う。
 

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