東京で「セルフ焼き肉」が密かに流行する理由 「お任せ焼き肉」と比べた使い勝手は?

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これで1名あたり5400円(2016年11月~は6000円)。隠れ家焼き肉、しかもリラックスできる家飲みスタイルなので、当然、人気になります。2016年5月に訪問した際、2階個室の予約を試みましたが、予約できたのは20カ月後の2018年1月でした。そんなヒロミヤファンに朗報があります。2016年9月にヒロミヤ3号店が同じ新宿区の曙橋にオープンしました。ヒロミヤ2階個室と同じく、家飲みスタイルを踏襲するということですから、今から楽しみが広がります。私は早速、10月中に訪店してきます。

肉と日本酒(台東区)20名以上~45名以下、6500円、2時間30分 
リトル肉と日本酒(葛飾区)2名以上 6500円、3時間
ヒロミヤ本店2F個室(新宿区)10名以上~16名以下、6000円(11月~)、2時間、30分延長毎に+500円
ヒロミヤ3号店(新宿区)10名以上~18名以下、6000円、2時間、
30分延長毎に+500円
じょんじょん(杉並区)1名以上~最大70名まで、飲み放題(1,500円)もあるが、都度、自販機での注文可

なぜ、セルフ焼き肉店が増えているのか?

なぜ、このようなセルフ焼き肉が流行るのか?

焼き肉の部位メニューが細分化された理由』でも書きましたが、肉の部位の再定義により、希少部位の価値が見直されました。結果、需要が増加し、供給が追い付かない状態になっています。つまり需給バランスが崩れ、牛枝肉の価格が高騰していることに起因しています。東京食肉市場株式会社のサイトにある月刊しばうらによれば、A5-A2ランクまでの牛枝肉相場が年々高騰していることがわかります。

 

 

焼き肉店の原価に相当する牛枝肉の相場が上昇すれば、当然ながら、損益計算書(P/L)上の売上総利益(粗利益)を圧迫します。売上総利益が減少する中、本業での利益を示す営業利益を維持する為には、販売管理費(=以降、販管費)を削るしかありません。販管費の中で、メスを入れやすかったのが、人件費ということになります。

ただ通常であれば、人件費を削る=お店が回らないという図式が成り立ちます。当然、今までのやり方を変えなければ、営業ができなくなります。そこで焼き肉店としては、ビジネスモデルの転換を考えます。肉質を変えない、もしくは肉質を向上させていくので、今までより不便をかけますが、お客さんもやれることは自分でやってくださいというセルフスタイルの焼き肉店の増加要因として考えられます。

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肉の部位メニューを自動販売機で食券を自ら購入するのがお店のスタイル

セルフ焼肉専門「じょんじょん」という焼き肉店が2016年2月24日、高円寺にオープンしています。恵比寿のカウンター焼肉専門「焼肉おおにし」の系列店でこちらは本格的なセルフ焼肉専門店です。まず驚くのが、店内に入ると目にする自動販売機です。肉の部位メニューを自動販売機で食券を自ら購入するスタイルです。

ご飯は自分でよそいます

肉の食券は受け渡しカウンターに持参します。飲み放題の食券を購入すると、クーラーボックスが出てきます。ハイボールなどのアルコール缶ドリンク、ソフトドリンクの飲み放題になります。生ビールはサーバーで自ら注ぎ、お米は「白飯」と書かれた炊飯ジャーに炊かれているので自ら、よそりにいきます。

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