地方なら農業とソーラー大家を両立できる 太陽光発電は本当に儲かるのか(中)

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業界の革命児・日本のLooop社

そんな中で、躍進を続ける日本のソーラー設備メーカーがある。大手メーカーの苦境を尻目に中国、台湾、韓国、ドイツのグローバル調達でソーラー業界の革命児と呼ばれているLooop社だ。米中のAD戦争を逆手に取り中国からの競合メーカーの競争原理をあおるというしたたかな戦略だ。日本市場でもニッチ分野に特化、「日本一の安売り王」の位置を不動のものにしつつある。

最近、1メガのセットを定価販売(イチキュッパ)で売り出したから価格破壊の急先鋒になっている。つまり、従来なら3億円する1メガキット(1125kW)を、1.98億円で売り出したのだ。一切の中間経費を排除して直取引で自作できるDIY(Do It Yourself)で、コストパーフォーマンスを徹底的に追求した新戦略だ。この定価販売価格は全設備のネット価格だが1kW当たりでは17万6000円となり、驚異的な価格破壊である。またソーラーシェアリング対応製品も業界に先んじて新発売を始めているので好感が持てる。

同社の設立は2010年。11年の東日本大震災直後から、ボランティアで電気のない被災地にソーラー設備を配った。その年はさしたる実績も見られなかったが、12年になって一気に垂直立上げを成功させた。メガソーラーには見向きもせず、小回りを利かせて設備から施工までの総合サービスで、発展著しいニッチの分野に特化したことが勝因だ。

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