仕事のできない人は「断り方」がなっていない 自分が断られたら相手には親切にしよう

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交渉相手も断るときには当たり障りのないことばかりを言い、断る本当の理由を明かそうとしないものです。そんなときにもできれば「今後の反省材料にしますので、本当の理由をお聞かせください」と尋ねてみましょう。断られただけでもつらいのに、さらにその理由を聞き出すというのはみじめ過ぎると感じるかもしれませんが、これがあなたの長期的な利益につながります。

これが「究極の断られ方」だ!

私がおすすめする究極の「断られ方」をご紹介します。キーワードは「返報性」です。返報性とは、相手に親切にされると、自分も相手に何か「おかえし」をしたくなってしまう性質のことです。

たとえば、スーパーの食品売り場で子どもがギョウザの試食をすると、お母さんは「今晩のおかずはギョウザにしよう」と考えるといった行動パターンが典型例です。デパートで洋服を試着すると、なんだか買わないと申し訳ないような気がしてきてしまうというのもこの一例です。

これが、商談を断られた場合にも応用できます。たとえばあなたが国産車の自動車ディーラーの営業マンだったとして、お客様が試乗にいらしたのですが、商談が進むうちに「やっぱり自分にはドイツ車のほうが合うような気がする」と言いだし、契約を取り損ねたとします。

このときに「さんざん試乗して、こっちの時間を使わせたのに結局契約しないのかよ」と思っても、なんの得にもなりません。そうではなくて「それでは、親しくしている友人にドイツ車のディーラーに勤めている者がいるのでご紹介しましょうか?」と相手のためを思って他社製品の購入もサポートしてしまうのです。

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お客様は、まさかドイツ車の営業マンを紹介してもらえるとは思っていませんから、期待値を飛び超える親切を受けて感動します。そして、お客様はあなたから自動車を買いませんでしたが、確実にあなたのファンになります。

すると、そのお客様は国産車を買いたい友人がいると、その友人たちを1人残らずあなたに紹介してくれるようになります。もちろん、ドイツ車の営業マンである友人からも喜ばれ、逆に国産車に乗りたいお客様を紹介してもらえるようにもなります。

1人のお客様の契約を取れなかったとしても、最後まで利他の心で親切にした結果、その後何人ものお客様を紹介してもらえ、営業成績がどんどん上がるという長期的な利益が転がり込んでくるのです。まさに「損して得取れ」、相手が喜び、自分が得する交渉は最強なのです。
 

三谷 淳 未来創造弁護士法人 代表弁護士

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みたに じゅん / Jun Mitani

慶應義塾大学法学部法律学科出身。2000年弁護士登録後は横浜の大手法律事務所に勤め、数多くの裁判を手がける。このころ旧日本軍の爆雷国家賠償訴訟に勝訴し、数々のマスコミに取り上げられる。しかし、2006年に独立し三谷総合法律事務所(現・未来創造弁護士法人)を設立すると、裁判はたとえ勝訴しても、時間がかかり、依頼者に強いストレスをかけ、結果的におカネも回収できないケースが多いことに気づき、徹底的に交渉術や紛争予防法を研究する。1日5件、週に20件、年間1000件の交渉を実践し、「日本一裁判しない弁護士」と呼ばれるようになる。紛争の早期円満解決や予防は、トラブルを抱えるクライアントだけでなく、企業経営者からも絶大な支持を受け、現在では「経営を伸ばす顧問弁護士」として地域、業種を超えて全国各地の上場企業から社員数名の企業まで100社近くの顧問弁護士を務める。

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