日本郵政、つかの間の最高益 今期は大幅減益、成長戦略描けない

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日本郵便では、郵便物取り扱い数の減少が続くうえ、賞与支給月数の増加による人件費増加や、郵便局事業での郵便、銀行、保険に関する手数料減少が響く。

また、ゆうちょ銀行は運用資産の約7割を占める国債の利回り低下が収益を圧迫する。かんぽ生命では保有契約減少に伴って費差益の減少が続くうえ、標準利率引き下げで新たに発生する責任準備金の積み増し費用が負担になる。

15年秋の上場を目指すが、成長戦略が描けない

持ち株会社である日本郵政は、2015年秋の上場を目指している。しかし、日本郵便で郵便物取り扱い数の減少が止まらないうえ、ゆうちょ銀行、かんぽ生命においても新規業務を認められない状況が続き、「成長戦略」を描けないことが大きな問題になっている。

かんぽ生命については、TPP交渉入りのための日米協議の決着に際して、麻生太郎金融相が、がん保険や単品の医療保険を今後、数年間認可しない考えを表明。保有契約の減少傾向から抜け出す見通しが立たなくなっている。

ゆうちょ銀行は貯金残高の減少に歯止めがかかっているものの、日銀の超低金利政策の継続により、運用収入の確保が一段と難しくなっている。住宅ローンなど新分野参入も見通しが立っていないのが現状だ。

(撮影:尾形 文繁)
 

岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

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おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

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