急成長「保険ショップ」は、いずれ淘汰の時代 アイリックコーポレーション社長に聞く

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 保険業界の販売チャネルで最も成長が著しいのが、来店客に保険商品を販売する「保険ショップ」だ。特に、数多くの保険会社の商品を扱う「乗り合い型ショップ」(乗り合い型代理店)はここ数年間に急増。店舗数は全国で2000前後に達しているとみられる。保険ショップでの生命保険の新契約件数ではすでに10%程度のシェアを占めているといわれ、ショッピングセンターや駅ナカでも集客力を持つキーテナントとして存在感を強めている。
 「保険クリニック」のブランドで展開するアイリックコーポレーションは、1999年12月に第1号店を出店した業界の「草分け」で、店舗数では業界3位。同社の勝本竜二社長(写真)に業界の現状と自社の成長戦略について聞いた。

保険料“値上げ”前の駆け込みで3月は来店客過去最高に

――生命保険会社が保険料を決める際の目安とする標準利率の引き下げを前にした駆け込み需要で、3月はずいぶん来店客が増えたと聞きます。

2月は直営店で過去最高の集客数だったが、3月はその1.5倍になった。予約時間が確保できなくなり、お客様にご迷惑をかけた。

――来店客が急増した原因は。

標準利率引き下げに伴い、4月から生命保険各社の保険料が上がるという見方が広がったのが大きかった。実際は保険会社や商品によってまちまちで下がったケースもあるものの、駆け込み需要があった。

――4月以降はどうですか。

来店客数は例年、3月に比べて減少する傾向があるが、今年は駆け込み需要の反動で6割強にとどまった。しかし、3月にご相談に応じることができなかったお客様の予約をこなすことができた。ボーナス月の6月には再び回復するとみている。

店舗数で業界3位、初の商業施設内出店にも着手

JR大崎駅前の商業施設にオープンした店舗

――現在の事業規模は。

当社は「保険クリニック」の名称で全国に164店舗(5月14日現在。フランチャイズ店を含む)を持つ。

現在、生損保37社および少額短期保険会社1社の商品を取り扱っており、2012年6月期の連結売上高は19億2900万円。店舗数は業界最大手の「ほけんの窓口」(2013年5月8日現在で397店)に及ばないものの、(「保険見直し本舗」に次ぐ)3位の座にある。2015年6月期には200店舗到達を目標にしている。

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