保険料、「値上げ」「値下げ」なぜ交錯 保険ショップの台頭も影響
大手生命保険4社の4月からの保険料改定方針が出そろった。が、保険会社によっても、また、保険商品によっても、「値上げ」と「値下げ」が交錯し、生命保険の新規ユーザーにとって、どこが得でどこが損とは一概に言えないのが実情だ。大手各社がどのような方針に基づいて保険料改定しようとしているのか。その方向性を追った。
金融庁「標準利率」引き下げが改定のきっかけ
最大手の日本生命保険は保障性の主力商品など大半の商品で保険料改定を見合わせる一方、貯蓄性の高い一時払い終身保険の保険料を10%前後引き上げる。明治安田生命保険は保障性の主力商品の保険料を1%以下の値上げにとどめる反面、終身保険など多くの商品で保険料を1ケタ前半から後半の割合で引き上げる。
第一生命保険と住友生命保険は、若者層向けを中心に保障性の主力商品で保険料を値下げする。その反面で、両社とも40~50代では保険料は値上がりする場合が多い。
各社が保険料改定に踏み切るのは、保険料を決める際の目安である標準責任準備金の計算に用いる「標準利率」を金融庁が引き下げることがきっかけだ。これを踏まえ、各社は4月2日以降の契約から、自社の保険料算定の基礎となる「予定利率」を見直す。
契約者に約束する責任準備金の運用利回りである予定利率を引き下げることは一般には保険料の値上げにつながるが、同時に事業費や医療保障の支払実績が想定より低く推移していることから、値上げの抑制や値下げ原資捻出が可能になるとしている。
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