保険料、「値上げ」「値下げ」なぜ交錯 保険ショップの台頭も影響

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なお、「『Wステージ』および『ライブワン』(最低保証利率付き3年ごと利率変動型積立保険)では新規契約者の5割強で保険料は値下げとなる」(住友生命)。第一生命は「順風ライフ」について「新規契約者の約8割で値下げになる」としている。

住友生命では、一時払い終身保険については予定利率を1.4%から1.0%に下げることから、保険料の値上げ幅が60歳男性の場合で7.4%(保険契約1000万円の場合)と比較的大きくなっている。第一生命は「メディカルエール」(無配当終身医療保険)や「グランロード」(無配当一時払い終身保険)など販売件数の多い商品でも保険料を値上げする。

保障制の主力商品は極力値上げ圧縮へ

このように各社の対応はまちまちになったが、商品の比較が難しいこともあり、値上げ幅の大きさについては一概には判断できない。

ただし、一時払い終身保険など貯蓄性商品で軒並み値上げとなる一方で、保障性の主力商品について各社が保険料の上げ幅を極力圧縮しようとしていることは間違いない。

ここ数年、複数の保険会社と契約する「乗合代理店」(保険ショップ)が存在感を増している中で、1社専属の営業職員チャネルが中心で保険料が相対的に割高な大手4社は主力商品の販売でも防戦を余儀なくされてきた。そうした競争状況の変化も、今回の改定方針に影響を与えていると言えそうだ。

岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

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おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

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